お知らせ[研究]_365体育网投 /whatsnew/news_kenkyu daily 1 2018/03/15 15:50:00 GMT+9 深層学習を用いた細胞骨格の高精度?高効率な密度解析法を確立_365体育网投 /whatsnew/sizen/20241219 <![CDATA[<p><strong>(ポイント)</strong></p>&#13; <ul>&#13; <li>深層学習に基づくセグメンテーション手法を用いて、細胞骨格の密度を高精度かつ高効率に解析する技術を確立しました。</li>&#13; <li>本手法は、従来の解析法では難しかった細胞骨格の密度測定の精度を向上させました。</li>&#13; <li>本手法を植物の気孔開閉や受精卵の極性化などの生命現象に応用し、細胞骨格密度の変化を定量的に評価することに成功しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】 </p>&#13; <p> 熊本大学大学院自然科学教育部修士課程2年の堀内凌太大学院生と同大学大学院先端科学研究部の檜垣匠教授を中心とした研究グループは、深層学習を用いた細胞骨格のセグメンテーション法を開発し、細胞骨格密度を高精度かつ高効率に測定する手法を確立しました。<br/> 本研究では、タバコ培養細胞の微小管を対象に、従来の方法と深層学習法の解析精度を比較しました。その結果、従来法では角度や並行度の測定には十分であったものの、密度測定の精度には限界があることが明らかになりました。一方、深層学習に基づく手法では、密度の定量精度が顕著に向上することが示されました。さらに、本手法の有用性を検証するため、植物の気孔開閉運動および受精卵の極性化に応用を試みました。その結果、両現象において細胞骨格密度の変化を正確に捉えることに成功し、本技術の汎用性の高さが実証されました。本研究は、深層学習が大規模な画像データセットの解析を自動化?高効率化することで、深層学習を用いた細胞骨格の高精度?高効率な密度解析法を確立細胞骨格の機能解明や関連分子機構の研究に貢献する可能性を示しています。<br/> 本研究成果は令和6 年12 月18 日、科学雑誌「Protoplasma」オンライン版のカテゴリー New Methods in Cell Biology に掲載されました。本研究は日本学術振興会科研費、科学技術振興機構 CREST、および熊本大学国際先端科学技術研究機構 Research Cluster Digital Plant Cell Biology の支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文名:Deep learning-based cytoskeleton segmentation for accurate high-throughput measurement of cytoskeleton density.<br/>著者:Ryota Horiuchi, Asuka Kamimura, Yuga Hanaki, Hikari Matsumoto, Minako<br/>Ueda, and Takumi Higaki* (*責任著者)<br/>掲載誌:Protoplasma<br/>doi:https://doi.org/10.1007/s00709-024-02019-9</p>&#13; <p>詳細:<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241219.pdf">プレスリリース</a></p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_02_ja_2.png/@@images/8032ba3d-a877-4a15-b6fd-60f50cbdf9de.png" title="sdg_icon_02_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_02_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/19 13:55:00 GMT+9 ページ ガラスは温度の上下を繰り返すと若返る? ―金属原子の並び方と振動の変化―_365体育网投 /whatsnew/sizen/20241217 <![CDATA[<p><strong>(ポイント)</strong></p>&#13; <ul>&#13; <li>金属ガラスに液体窒素温度と室温の間を繰り返して上下させる「極低温若返り効果」を起こすことで原子配列が変化することが、放射光X線を用いた実験で詳しく明らかになりました。</li>&#13; <li>ガラス中の構造の不均質性も、元素によって大きく変化することがわかりました。</li>&#13; <li>X線非弾性散乱実験よりミクロな弾性的性質の不均質さも変化することが見出されました。</li>&#13; <li>この研究は、国内、国際を問わず、幅広い研究者の協力によって達成されたものです。<span/></li>&#13; </ul>&#13; <p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】 </p>&#13; <p> 島根大学材料エネルギー学部の細川伸也研究員、尾原幸治教授および先端マテリアル研究開発協創機構のイェンス?シュテルホルン講師は、熊本大学、東北大学、九州シンクロトロン光研究センター、高輝度光科学研究センター、茨城大学、理化学研究所、およびハンガリー、フランスの研究者と協力して、金属ガラス(注1)を対象として、液体窒素温度(およそ摂氏マイナス196度)と室温の間を繰り返し上下させることによる若返り効果(注2)によって、構成する原子の並び方やその運動が大きく変化することを、大型放射光施設SPring-8(注3)(BL04B2、BL35XU)の放射光X線(注4)を用いて明らかにしました。<br/> 放射光X線を用いると、通常より高いエネルギーのX線を用いた高エネルギーX線回折(注5)を行うことができるばかりでなく、そのエネルギーを細かく変化させることができ、それによってX線異常散乱(注6)法を用いて構成元素による散乱の強さをコントロールでき、それぞれの元素のまわりの原子の配列を知ることができます。研究に用いた金属ガラスは重い希土類元素のガドリニウム(Gd)と軽い遷移金属元素であるコバルト(Co)からできているのですが、この実験より軽いCo元素が温度の上下を繰り返すことにより、Gd原子の直近の位置からやや離れた場所に若返りによって移動することがわかりました。また、放射光X線を用いたX線非弾性散乱(注7)法によって、金属ガラスはミクロに見て速く振動する硬い部分と遅く振動する柔らかな部分があるのですが、その不均質さが若返りにより大きく増大することを見出しました。この研究は、放射光X線を有効に用いて、ガラスの原子配列の変化や運動の変化を詳しく観測できることを示しています。<br/> この結果は、オランダで刊行される科学雑誌「Acta Materialia」に令和6年12月13日に掲載されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文タイトル:Structural and Dynamical Changes in a Gd-Co Metallic Glass by Cryogenic Rejuvenation (極低温若返りによるGd-Co金属ガラスの構造とダイナミックスの変化)<br/>著者:Shinya Hosokawa, *1 Jens R. Stellhorn, *2 László Pusztai, *3,4 Yoshikatsu Yamazaki, *5 Jing Jiang, *5 Hidemi Kato, *6 Tetsu Ichitsubo, *6 Eisuke Magome, *7 Nils Blanc, *8 Nathalie Boudet, *8 Koji Ohara, *1 Satoshi Tsutsui, *9,10 Hiroshi Uchiyama, *9 and Alfred Q. R. Baron*11,9<br/>*1島根大学材料エネルギー学部、*2島根大学先端マテリアル研究開発協創機構、*3HUN-REN Wigner物理研究センター、*4熊本大学国際先端科学技術研究機構、*5東北大学金属材料研究所(研究当時)、*6東北大学金属材料研究所、*7九州シンクロトロン光研究センター、*8フランス国立科学研究センター、*9高輝度光科学研究センター、*10茨城大学大学院理工学研究科、*11理化学研究所<br/>掲載誌:Acta Materialia<br/>DOI:10.1016/j.actamat.2024.120616</p>&#13; <p>詳細:<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241217.pdf">プレスリリース</a></p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/17 14:05:00 GMT+9 ページ 胎児期の水銀ばく露と子どもの精神神経発達およびけいれん発症の関連について:子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)_365体育网投 /whatsnew/seimei/20241213 <![CDATA[<p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 南九州?沖縄ユニットセンター(熊本大学)の小田政子、倉岡将平の研究チームは、エコチル調査の3,083人のデータからさい帯血<sup>※1</sup>中のメチル水銀および無機水銀の濃度と子どもの精神神経の発達の関連について解析しました。その結果、メチル水銀、無機水銀共に2歳時および4歳時の発達との明らかな関連は認められませんでした。また、けいれんと熱性けいれんについても明らかな関連は認められませんでした。今回の結果は胎児期の水銀ばく露<sup>※2</sup>の影響を考える上で大変重要です。今後、妊娠中の適切な水銀ばく露の指標を提言する際に本研究の成果が役立てられることが期待されます。<br/> なお、今回の調査では4歳時までの発達指数を評価したものであり、胎児期の水銀ばく露による長期的な影響に関しては評価できていません。そのため、水銀ばく露と子どもの精神神経発達の関連を明らかにするためには更なる研究が必要です。<br/> 本研究の成果は、令和6年11月13日付で環境科学分野の学術誌「Science of The Total Environment」に掲載されました。<br/> ※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>さい帯血からメチル水銀および無機水銀をそれぞれ測定した。</li>&#13; <li>2歳時、4歳時に新版K式発達検査2001<sup>※3</sup>を実施し、発達指数を算出した。</li>&#13; <li>4歳時の質問票にてけいれん、熱性けいれんの既往について調査した。</li>&#13; <li>さい帯血メチル水銀および無機水銀と発達指数との間に関連は認められなかった。</li>&#13; <li>さい帯血メチル水銀および無機水銀とけいれんとの間に関連は認められなかった。</li>&#13; </ul>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 胎児期の水銀ばく露が子どもの健康にどのように影響するのか引き続き調査を継続していきます。魚介類の摂取だけでなく、どのような環境や生活習慣がそれぞれの水銀ばく露につながるのかを明らかにすることで、妊娠中の過ごし方に関する適切な提言につながると考えられます。<br/> 本調査の継続により、子どもの発育や健康に影響を与える化学物質等の環境要因が明らかとなることが期待されます。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※1 さい帯血:赤ちゃんがお母さんのお腹にいる間、へその緒と胎盤を流れている血液のことです。本研究では赤ちゃんが生まれるときにへその緒から採取しています。<br/>※2 ばく露:食べたり、触れたり、吸い込むことで化学物質が体内に取り込まれることを言います。本研究の場合は、胎児がさい帯血を通じて母体から化学物質を体内に取り込むことを指します。<br/>※3 新版K式発達検査2001:子どもの発達の様子を調べるためのテストで、「姿勢?運動」「認知?適応」「言語?社会」の3つの領域に分けて発達を評価します。「姿勢?運動」では体の動きやバランス、細かい動作がどれくらいできるかを見ます。「認知?適応」では周りの状況を理解する力や、物事にうまく対応する力を調べます。「言語?社会」では言葉の使い方や、他の人との関わり方を見ます。この3つの領域における発達指数を踏まえて、総合的な発達指数も算出されます。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>題名(英語):Association between prenatal mercury exposure and pediatric neurodevelopment: the Japan Environment and Children’s Study<br/>著者名(英語):Shohei Kuraoka1,2, Masako Oda1, Takashi Ohba1,3, Hiroshi Mitsubuchi1,4, Miyuki Iwai-Shimada5, Nozomi Tatsuta5, Michihiro Kamijima6, Kimitoshi Nakamura1,2, Takahiko Katoh1,7, and The Japan Environment and Children’s Study (JECS) Group8<br/>1倉岡将平、小田政子、大場隆、三渕浩、中村公俊、加藤貴彦:熊本大学大学院生命科学研究部附属 エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>2倉岡将平、中村公俊:熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座<br/>3大場隆:熊本大学大学院生命科学研究部 産婦人科学講座<br/>4三渕浩:福田病院<br/>5岩井美幸、龍田希:国立研究開発法人 国立環境研究所<br/>6上島通浩:名古屋市立大学 医学研究科環境労働衛生学分野<br/>7加藤貴彦:熊本大学大学院生命科学研究部 公衆衛生学<br/>8グループ:コアセンター長、メディカルサポートセンター代表、各ユニットセンター長<br/>掲載誌:Science of the Total Environment<br/>DOI: <a href="https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969724076460">10.1016/j.scitotenv.2024.177489</a></p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241213.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">プレスリリース</a>(PDF1,816KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>倉岡将平<br/>電話:096-373-5191<br/>e-mail:skuraoka※kuh.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/13 14:00:00 GMT+9 ページ 世界初!エコー診断用圧電単結晶における ナノドメインの交流電圧応答を直接可視化_365体育网投 /whatsnew/sizen/20241211-2 <![CDATA[<p><strong>(ポイント)</strong></p>&#13; <ul>&#13; <li>交流電圧を加える「交流分極」で圧電単結晶の特性が向上するが、特性向上の鍵であるナノドメインの応答は明らかになっていない。</li>&#13; <li>本研究では、「交流電圧印加その場電子顕微鏡法」でナノドメインの応答を可視化した。</li>&#13; <li style="text-align: justify;"><span>今後、医療用画像診断装置の高性能化、ひいては医療の高度化につながる可能性がある。</span></li>&#13; </ul>&#13; <p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】 </p>&#13; <p> 熊本大学半導体?デジタル研究教育機構の佐藤幸生教授の研究グループは、エコー診断などに用いられる圧電単結晶におけるナノドメインの交流電圧に対する応答を同研究グループが開発した「交流電圧印加その場電子顕微鏡法」で直接観察することに成功しました。正弦波1つ分の交流電圧でナノドメインの構造が大きく変化する他、短時間処理では1つのマイクロドメインが大きくなる様子、長時間処理では電圧印加方向に垂直な複数のマイクロドメイン帯が発達する様子が観察されました。前者は交流電圧をかける処理による圧電特性の向上、後者は処理を長時間行うことによる特性の劣化に関係していると考えられます。</p>&#13; <p> エコー診断などに用いられる圧電単結晶では、より高い特性を得るために、電圧を加えて、ドメインの向きを揃える「分極処理」を使用前に行います。従来、この処理は直流電圧で行われていましたが、近年、交流電圧を加えることがより有効であると発表され、注目を集めています。しかしながら、適切な交流での分極処理により特性が向上するメカニズムや長すぎる時間で行った場合における特性劣化のメカニズムの詳細はまだわかっていません。そのため、本研究では、同研究グループがこれまでに開発を行ってきた「電圧印加その場電子顕微鏡法」を使って、圧電単結晶に交流電圧を加えながら電子顕微鏡の動画を撮影する実験を行いました。</p>&#13; <p> 本研究で得られた成果によって、今後、交流分極による特性向上および特性劣化メカニズムの理解が進めば、エコー診断装置の更なる高性能化につながり、ひいては医療の高度化につながると期待されます。</p>&#13; <p> 本成果は令和6年12月13日に米国物理学協会発行の「Applied Physics Letters」に掲載されます。また、本研究は文部科学省科研費補助金学術変革領域研究(B)「超軌道分裂による新奇巨大界面応答」(課題番号:JP23H03804)および基盤研究(B)「誘電特性における界面効果の原子スケールメカニズム解明」(課題番号:JP23K26382)の支援の下で行われました。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 今後さらなる研究を行うことで、交流分極による圧電特性向上や劣化のメカニズムが解明されれば、より高い性能を示す分極処理プロセスの開発に繋がります。それにより、エコー診断装置の高性能化、ひいては医療の高度化につながると考えられます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文名:Response of ferroelectric nanodomain to alternative-current electric fields in morphotropic phase boundary Pb(Mg1/3Nb2/3)O3?PbTiO3<br/>著者:Yukio Sato<br/>掲載誌:Applied Physics Letters</p>&#13; <p><span style="font-size: 11pt;">URL: <a href="https://doi.org/10.1063/5.0232904" target="_blank" rel="noopener noreferrer" title="https://doi.org/10.1063/5.0232904">https://doi.org/10.1063/5.0232904</a><br/> DOI: 10.1063/5.0232904</span></p>&#13; <p/>&#13; <p>詳細:<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241211-2.pdf">プレスリリース</a></p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/3f32ead3-7b39-4f7e-aaef-d50890a1bf4a.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/11 11:15:00 GMT+9 ページ 収蔵庫から続々新発見! X線CTによる縄文土器の再発掘で判明 日本ではめずらしい貝殻混入の縄文土器?九州最古級のマメ類圧痕の発見 熊本大学と福岡市埋蔵文化財センターのコラボで判明_365体育网投 /whatsnew/zinbun/20241211 <![CDATA[<p><研究の内容></p>&#13; <p> 熊本大学大学院人文社会科学研究部?国際人文社会科学研究センター?小畑弘己(おばた?ひろき)教授らは、2023年より福岡市埋蔵文化財センターと協力してX線CTスキャナーによる福岡市内出土の縄文土器の混和物の調査を行ってきました。その過程において、東アジアでも二番目に古く、日本では珍しい貝の殻を混入した縄文時代早期の土器群、さらには九州地方では最古級となる同時期のダイズ属やアズキ亜属の種子圧痕を検出しました。これは、一旦発掘調査や報告書刊行が終了し、収蔵庫に眠った状態の土器をもう一度最新技術で調査(発掘)することで新たな発見が可能であることを立証したもので、福岡市埋蔵文化財センターのようなすべての出土遺物を収蔵管理する設備と体制が整備された機関ならではの発見といえます。<br/>本研究は文部科学省科学研究費補助金研究?学術変革領域研究(A)「土器を掘る」の支援を受けて実施したものです。</p>&#13; <p><学術以外の意義:新学術領域設立ための成果><br/> 今回の発見の意義は、大きく2点あります。1点は縄文土器としてはきわめて珍しい1万年前の貝殻混入土器や九州地方で最古級のマメ類圧痕を発見したという点。さらにもう1点、既報告資料を再度調査して、新たな発見をもたらしたことは、小畑教授らの研究プロジェクトの意図に合致した発見であり、まさにねらい通りの成果であったといえます。<br/> 普通、考古遺物(土器)は発掘調査報告書が刊行された後は未報告遺物も含めて収蔵庫に収蔵され、研究や遺物展示のために大切に保管されています。ただし、その利用頻度は遺物の希少性や人々の関心の度合いに左右され、遺物によってはほぼ利用されないものもあります。とくに報告書に掲載されなかった遺物はその典型です。しかし、これは遺物のもつ価値を表すものではなく、現時点での評価による相対的価値づけに過ぎません。将来、再整理を行ったり、その価値を十分に引き出す技術や手法が開発され、それらに適用されれば、これら遺物も重要な研究資源や文化財としての価値が向上するはずです。<br/> 今回のX線CTスキャナーによる土器の再調査とその成果は、福岡市埋蔵文化財センターのような整備された遺物の収蔵システムと管理体制をもち、しかもすべての遺物を収蔵管理している組織だからこそ成しえた成果といえます。このような質?量ともに充実した収蔵システムをもつ行政組織は日本、いや世界でも類を見ないといっても過言ではないでしょう。ここに小畑教授らの考古学の新たな資料学の構築を追求する学術変革領域研究の研究コンセプトと技術が組み合わさることで、今回、相乗的な効果が生み出されました。<br/> 報告書に掲載されていない、3㎝四方の小さな土器片から予想もしていなかった最古級のダイズ属種子と貝殻が一緒に発見されました。この事実が、遺物収蔵の必要性とそれを再活用しようとする新たな遺物分析技術の開発の重要性を如実に物語っているといえます。「土器を掘る」、この行為なくしては、遺跡の発掘は未完であることを、今回の発見が教えてくれました。</p>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241211.pdf">プレスリリース</a>(PDF3.2MB)<br/><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/c78e20a3-5bea-4d6c-80f1-d2db58bf76ca.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" class="image-inline"/>????</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong>お問い合わせ</strong><br/>熊本大学大学院社会科学研究部<br/>担当:(教授)小畑 弘己<br/>電話:096-342-2423</address>]]> No publisher 研究 2024/12/11 09:05:00 GMT+9 ページ グアニン四重鎖構造を持つRNAがおたふくかぜウイルスのRNA合成の場を提供する――おたふくかぜウイルスの封入体形成機構の理解――_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241204 <![CDATA[<p>?【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>おたふくかぜウイルス(MuV)は細胞に感染すると封入体と呼ばれる膜のない構造体を形成し、その中でウイルスRNAを合成します。今回、この封入体形成に宿主細胞のグアニン四重鎖構造を持つRNAが重要な役割を持つことを明らかにしました。</li>&#13; <li>MuVの封入体の形成に関与する宿主RNAの特徴を初めて明らかにしました。</li>&#13; <li>封入体形成はMuVだけでなく多くのRNAウイルスで見られる共通機構であり、幅広いRNAウイルスの増殖機構の解明につながることが期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【概要】</p>&#13; <p> 東京大学大学院医学系研究科の竹田 誠教授と加藤 大志准教授、熊本大学生命資源研究?支援センターの沖 真弥教授、九州大学生体防御医学研究所の大川 恭行教授、国立感染症研究所の鈴木 忠樹部長らによる研究グループは、おたふくかぜウイルス(注1)のRNA合成の場である封入体(注2)の形成にグアニン四重鎖構造(注3)を持つRNAが重要な役割を持つことを明らかにしました。<br/> RNAウイルスであるおたふくかぜウイルスは、細胞に感染すると封入体と呼ばれる膜のない構造体を形成し、そこでウイルスRNAを合成します。封入体は液-液相分離(注4)によって形成される液滴と考えられていて、多くのタンパク質や核酸(RNA)が含まれると考えられます。<br/>そこでPhoto-isolation chemistry(注5)によって、おたふくかぜウイルスの封入体に取り込まれる宿主RNAを探索した結果、グアニン四重鎖構造を持つRNAが多く含まれることが明らかになりました。このグアニン四重鎖構造を持つRNAは、液滴形成実験によって液滴内部の分子を濃縮することが示され、効率よくウイルスRNA合成を行う上で重要な役割を果たしていると考えられました。本研究の成果は、封入体の形成メカニズムの一端を明らかにしたものであり、RNAウイルスのRNA合成機構の解明につながることが期待されます。<br/> 本研究成果は、日本時間2024年12月7日に米国科学雑誌「Science Advances」に掲載されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(注1)おたふくかぜウイルス (Mumps virus: MuV)<br/>パラミクソウイルス科オルソルブラウイルス属に分類されるRNAウイルス。飛沫などによって伝搬し、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を引き起こす。<br/>(注2)封入体<br/>モノネガウイルス感染細胞で見られる非膜性の構造体。LLPSによって形成される液滴で、ウイルスRNA合成の場と考えられている。<br/>(注3)グアニン四重鎖構造<br/>グアニン含量の多いDNAおよびRNAにおいて形成される高次構造。遺伝子の発現制御など様々な生命現象に関わることが知られている。<br/>(注4)液-液相分離 (Liquid-liquid phase separation: LLPS)<br/>タンパク質や RNAといった高分子間の多加相互作用により、溶液中に異なる液相が分かれて存在する現象。LLPSに形成される液滴は動的であり、内外の物質が交換される。<br/>(注5)Photo-isolation chemistry (PIC)<br/>目的の細胞集団や微小組織に光を照射し、そこに発現する遺伝子を網羅的に検出する空間的トランスクリプトーム手法。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>雑誌名:Science Advances<br/>題 名:Structural and molecular properties of mumps virus inclusion bodies<br/>著者名: Hiroshi Katoh*, Ryuichi Kimura, Tsuyoshi Sekizuka, Kohei Matsuoka, Mika Hosogi, Yuki Kitai, Yukiko Akahori, Fumihiro Kato, Michiyo Kataoka, Hirotaka Kobayashi, Noriyo Nagata, Tadaki Suzuki, Yasuyuki Ohkawa, Shinya Oki, Makoto Takeda<br/>(*責任著者)<br/>DOI: <a href="https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adr0359">10.1126/sciadv.adr0359</a></p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241204web.pdf">プレスリリース</a>(PDF444KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/09 08:30:00 GMT+9 ページ 量子スピン液体物質における新発見 -予測とは異なる1次元的スピンダイナミクスの誘因を解明-_365体育网投 /whatsnew/sizen/20241204-2 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【概要説明】 </p>&#13; <p> 理化学研究所(理研)開拓研究本部上野核分光研究室の大島勇吾専任研究員、古崎物性理論研究室の妹尾仁嗣専任研究員(創発物性科学研究センター量子物性理論研究グループ専任研究員)、加藤分子物性研究室(研究当時)の加藤礼三主任研究員(研究当時、現理研研究政策審議役)、仁科加速器科学研究センター核構造研究部の渡邊功雄専任研究員、芝浦工業大学工学部の石井康之教授(多重極限電子物性研究室)、熊本大学先進マグネシウム国際研究センターの圓谷貴夫准教授らの国際共同研究グループは、「量子スピン液体[1]」の状態にあると考えられていた分子磁性体において、これまでの予測とは異なる「1次元的な量子スピン液体」の状態が成立していることを発見しました。<br/> 本研究成果は、量子スピン液体の理解に新たな視点を提供し、今後の研究の発展に大きく貢献することが期待されます。<br/>今回、国際共同研究グループは、三角格子を有する分子磁性体β'-EtMe3Sb[Pd(dmit)2]2が、フラストレート(競合)した2次元的な磁気ネットワークを持つにもかかわらず、1次元的なスピンダイナミクス[2]を持つことを観測することに成功しました。この系に特徴的な分子軌道自由度を考慮した第一原理計算[3]に基づく計算手法を導入して実験結果の解釈を行い、幾何学的磁気フラストレーション[4]による競合と分子軌道間の揺らぎがスピンダイナミクスの1次元化を誘発することを示し、「次元の縮小効果(dimensional reduction)[5]」がこの物質の量子スピン液体挙動の起源であることを結論付けました。<br/>本研究は、米国物理学会の科学雑誌『Physical Review Letters』オンライン版(12月3日付)に掲載されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究成果は、量子スピン液体の理解に新たな視点を提供し、今後の研究の発展に大きく貢献することが期待されます。特に、幾何学的磁気フラストレーションによるスピンダイナミクスの1次元化現象や、新たな理論と計算手法を用いたその解釈は、他の量子スピン液体候補物質にも適用可能であり、今後の基礎研究において重要な進展をもたらすと考えられます。<br/> さらに、量子スピン液体の特異な性質は、量子コンピュータやスピントロニクスデバイスなど、次世代技術に応用される可能性があります。今回の研究は、その基盤となる重要なステップであり、今後の技術革新への道を開くものであると考えられます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p><タイトル>Quasi-one-dimensional Spin Dynamics in a Molecular Spin Liquid System<br/><著者名><br/>Yugo Oshima, Yasuyuki Ishii, Francis L. Pratt, Isao Watanabe, Hitoshi Seo, Takao Tsumuraya, Tsuyoshi Miyazaki, and Reizo Kato<br/><雑誌>Physical Review Letters<br/><DOI>10.1103/PhysRevLett.133.236702</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241204-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF252KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/12/04 14:00:00 GMT+9 ページ 令和6年度国立大学法人熊本大学研究業績表彰式を開催しました_365体育网投 /kenkyuu_sangakurenkei/kenkyuu/news/kenkyu_of_20241125 <![CDATA[<p> 熊本大学は、令和<span>6</span>年<span>11</span>月<span>25</span>日に、令和<span>6</span>年度国立大学法人熊本大学研究業績表彰式を挙行しました。<br/> 研究業績表彰は、優れた研究成果をあげ、将来が期待される<span>45</span>歳未満、人文社会科学系にあっては<span>50</span>歳未満の若手研究者を<br/>表彰するもので、優秀な人材の確保、教育研究の活性化を図るために、平成<span>25</span>年度に創設されたものです。<br/> 論文等の研究実績に基づき、今年度は、人文社会科学系、自然科学系、生命科学系から各<span>2</span>名ずつ、計<span>6</span>名が表彰されました。<br/> また、表彰式後は、受賞者と小川久雄学長との懇談?意見交換の場が設けられました。</p>&#13; <div class="e-responsive-table">&#13; <table class="noborder">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="text-align: center;"/>&#13; </tr>&#13; <tr>&#13; <td style="text-align: center;"><img src="/kenkyuu_sangakurenkei/kenkyuu/news/news-file/etewht/@@images/e2ba5a45-d8e3-4e21-a986-1c46bcdd4073.jpeg" title="R6&#x7814;&#x7A76;&#x696D;&#x7E3E;&#x8868;&#x5F70;&#x5F0F;.JPG" height="273" width="520" alt="R6&#x7814;&#x7A76;&#x696D;&#x7E3E;&#x8868;&#x5F70;&#x5F0F;.JPG" class="image-inline"/></td>&#13; </tr>&#13; <tr>&#13; <td style="text-align: center;">&#13; <p>表彰式後の記念撮影(前列中央:小川久雄学長)</p>&#13; </td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; </div>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/> 研究?社会推進部 <br/> 研究推進課総務企画担当 <br/> 096-342-3242、3146</address>]]> No publisher 研究 その他 2024/11/28 15:35:00 GMT+9 ページ 造血幹細胞の発生初期を司るシグナル分子を解明_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241119 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>造血幹細胞<sup>*1</sup>は、胎児期に造血性内皮細胞<sup>*2</sup>から発生します。今回、この発生過程の初期段階を司るシグナル分子<sup>*3</sup>の一つを解明しました。</li>&#13; <li>初期の造血性内皮細胞はBMP4<sup>*4</sup>の受容体を細胞表面に持っており、この細胞にBMP4を作用させることで、試験管内で造血幹細胞に分化させることに成功しました。</li>&#13; <li>この研究成果は、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞<sup>*5</sup>から造血幹細胞を分化誘導するための培養法の確立に繋がることが期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 造血幹細胞は成体では骨髄に存在しますが、その起源は胎児期の大動脈内皮に遡ります。胎児の大動脈内皮に存在する造血性内皮細胞が造血幹細胞に分化します。造血性内皮細胞には初期と後期の異なる分化段階があり、後期の造血性内皮細胞から造血幹細胞への分化を調節するシグナル分子については解明が進んでいます。しかし、初期の造血性内皮細胞の分化を調節するシグナル分子は未だよく分かっていません。<br/>今回、熊本大学発生医学研究所組織幹細胞分野の小川峰太郎教授、古賀沙緒里助教および鶴田真理子大学院生らの研究グループは、初期の造血性内皮細胞が造血幹細胞に分化するために必要なシグナル分子の一つがBMP4であることを明らかにしました。これまで本研究グループは、後期の造血性内皮細胞から造血幹細胞を分化させる培養系を作成しており、BMP4をこの培養系に応用することで、初期の造血性内皮細胞から造血幹細胞への発生過程を試験管内で再現することに成功しました。本研究成果は、将来的にES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞から造血幹細胞を作成する培養法の確立に繋がることが期待されます。<br/> 本研究成果は、国際幹細胞学会の機関誌「Stem Cell Reports」のオンライン版に2024年11月15日(日本時間)に掲載されました。本研究は、文部科学省科学研究費助成事業、公益財団法人日本科学協会笹川科学研究助成、熊本大学健康?生命科学S-HIGOプロフェッショナルフェローシッププログラム、公益財団法人肥後医育振興会医学研究助成金、熊本大学発生医学研究所共同研究拠点、熊本大学発生医学研究所高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業、文部科学省共同利用?共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」などの支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?</p>&#13; <p>【展開】<strong> </strong></p>&#13; <p> ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞から造血幹細胞を分化誘導するためには、胎児期における造血幹細胞の発生メカニズムの理解が必要です。本研究は、初期の造血性内皮細胞が必要とするシグナル分子の一部を明らかにしました。今後、造血幹細胞発生の初期段階を制御するシグナル分子の全容を解明することで、多能性幹細胞から造血幹細胞への分化誘導の実現に繋がるものと期待されます。</p>&#13; <p>?</p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*1. 造血幹細胞:全ての血液細胞に分化できる能力と自分自身を複製する能力を併せ持つ幹細胞。胎児期に大動脈の内皮から発生し、成体では骨髄に存在する。<br/><br/>*2. 造血性内皮細胞:血管を裏打ちする血管内皮を構成する血管内皮細胞のうち、血液細胞に分化する能力(造血性)を持つ特殊な細胞を造血性内皮細胞という。胎児期の大動脈に一時的に発生し、造血幹細胞の元になる。造血性内皮細胞には初期と後期の異なる分化段階がある。<br/><br/>*3. シグナル分子:細胞の機能を調節する信号を細胞に伝える分子。それぞれのシグナル分子に特異的な受容体を細胞が持ち、受容体にシグナル分子が結合すると、増殖、分化、遊走、活性化、不活化などの様々な細胞応答を引き起こす。タンパク質、脂質等、様々な物質がシグナル分子として働くことが知られている。<br/><br/>*4. BMP4:骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein)の一つ。骨など様々な組織の形成や、体の構造の形成など、幅広い役割を担うシグナル分子。<br/><br/>*5. 多能性幹細胞:胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞など、個体を構成するすべての種類の細胞に分化することができる能力と自分自身を複製する能力を併せ持つ幹細胞。</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?<br/>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:Bone morphogenetic protein 4 induces hematopoietic stem cell development from murine hemogenic endothelial cells in culture.<br/>著者:Tsuruda, M., Morino-Koga, S., Zhao, X., Usuki, S., Yasunaga, K-i., Yokomizo, T., Nishinakamura, R., Suda, T., and Ogawa, M.(責任著者)</li>&#13; <li>掲載誌:Stem Cell Reports</li>&#13; <li>doi:<a href="https://doi.org/10.1016/j.stemcr.2024.10.005">10.1016/j.stemcr.2024.10.005</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://doi.org/10.1016/j.stemcr.2024.10.005">https://doi.org/10.1016/j.stemcr.2024.10.005</a></li>&#13; </ul>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241119-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF377KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学 発生医学研究所<br/>担当 :教授 小川 峰太郎/助教 古賀 沙緒里<br/>電話 :096-373-6591/096-373-6592<br/>e-mail:ogawamin※kumamoto-u.ac.jp<br/>    kogas※kumamoto-u.ac.jp<br/> (※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/19 10:35:00 GMT+9 ページ ゲノム編集によって遺伝子の働きを部分的に 抑える新しい技術の実証実験に成功_365体育网投 /whatsnew/sizen/20241118-2 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>ゲノム編集技術CRISPR-Cas9を応用して、遺伝子を完全には壊さず部分的に抑える方法を発案し、実証実験を行いました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">モデル植物シロイヌナズナで、機能が失われると致死的な影響をもたらす遺伝子<em>HPY2</em>の部分的機能抑制型突然変異体の作出に成功しました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">その機能が失われると生存できなくなる重要な遺伝子の研究への貢献や、これらの遺伝子を標的とする品種改良への応用が期待されます。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 </p>&#13; <p>熊本大学大学院先端科学研究部の石田喬志准教授らの研究グループは、ゲノム編集技術CRISPR-Cas9<sup>*1</sup>を応用して、機能が失われると致死的な影響をもたらす重要遺伝子について、生存可能な部分的機能抑制型突然変異体を作出する方法を考案して実際に作り出すことに成功しました。</p>&#13; <p>生き物の設計図であるゲノムDNA上には多数の遺伝子が存在します。生存に必須な遺伝子の多くは、その機能が失われると死んでしまうため、遺伝子の働きを研究することが困難でした。石田准教授らは、遺伝子の働きを完全に止めるのではなく低減させる方法を考案し、実際にモデル植物シロイヌナズナで致死遺伝子として知られる<em>HPY2 </em>遺伝子を標的にゲノム編集を行いました。その結果、予想通り、生育に遅延が見られるものの致死的ではない、部分的機能抑制型突然変異体を取得することに成功しました。</p>&#13; <p>本研究の成果は、これまで研究することが困難であった重要遺伝子の研究への貢献が期待されます。また、繊細な遺伝子機能の活性調節が必要となる、農畜産物の品種改良技術への発展も期待されます。</p>&#13; <p>本研究は日本学術振興会科学研究費補助金(研究代表者:石田喬志、課題番号:23K05803)の支援により、「Journal of Plant Research」誌から11月16日(日本時間)に公開されました。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p>ゲノムDNA上には、機能が損なわれると致死的な影響をもたらす重要な遺伝子が多数存在しており、その役割に関する研究は道半ばです。本研究で提案した方法は、これまで研究することが困難であったこのような遺伝子の研究にも適用することができると考えられ、生命の仕組みを理解するための研究に大きく貢献することが期待されます。</p>&#13; <p>また、農作物では、品種改良の際に鍵となる遺伝子の多くに、部分的な機能変化が生じていると考えられています。遺伝子の働きを完全に止めると二次的に大きな影響が生じることがあり、そのようなケースでも利用できる新たな方法が必要とされています。本研究で提案した方法は、このような繊細な遺伝子機能の活性調節が必要となる、農畜産物の品種改良技術への応用も期待できるものと考えています。</p>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文名:Generation of viable hypomorphic and null mutant plants via CRISPR-Cas9 targeting mRNA splicing sites<br/>著者:Mika Yoshimura, Takashi Ishida<br/>掲載誌:Journal of Plant Research<br/>doi:10.1007/s10265-024-01597-2<br/>URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s10265-024-01597-2</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241118-2.pdf">プレスリリース</a>(PDF252KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_15_ja_2.png/@@images/69826231-83a5-403b-bc72-0ee8456ad4e2.png" title="sdg_icon_15_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_15_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/18 15:40:00 GMT+9 ページ 世界初の完全非侵襲な血糖モニタリング法を実証―糖尿病管理指標のグリコアルブミンは唾液でも血液と同等に測定可能―_365体育网投 /whatsnew/seimei/20241115 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>採血不要な糖尿病管理手法として、高速液体クロマトグラフィーを用いた唾液グリコアルブミン(GA)検査法を確立しました</li>&#13; <li>この方法を用いて糖尿病がある方の入院中のGA値測定を観察研究として実施しました。</li>&#13; <li>測定した唾液GA値は、従来の血液GA値と高い相関を示したことから、今後針刺し不要かつ信頼性の高い糖尿病管理指標としての活用が期待されます。<br/><br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p>??? 東京大学医学部附属病院 糖尿病?代謝内科の相原允一助教、熊本大学病院 糖尿病?代謝?内分泌内科(大学院生命科学研究部)の窪田直人教授、株式会社Provigate(東京大学発医工連携スタートアップ企業)の関水康伸代表取締役CEOらの研究グループは、新たに開発した唾液グリコアルブミン(GA、注1)検査法により、従来用いられてきた採血GA検査とほぼ同等の結果が得られたことを報告しました(図1)。糖尿病の血糖管理には、HbA1c値(注2)が広く使われています。GA値もHbA1c値より短期の血糖変動を把握できる指標として使用されています。しかし、これら従来の検査には採血が必要で、頻回の検査にはその負担を考慮する必要があります。また、携帯型測定器による自己血糖測定(SMBG、注3)や留置型の持続血糖モニタリング(CGM、注4)も穿刺による採血やセンサ留置の侵襲性が課題となっていました。今回の成果は、今後の完全非侵襲な唾液郵送検査法の開発につながる可能性があります。検査所から本人に直接結果を返す専用アプリと組み合わせることで、より手軽で頻回の在宅血糖管理法が実現できることも期待されます。</p>&#13; <p><br/><em/></p>&#13; <p>【今後の展望】</p>&#13; <p> 本研究から、非侵襲的に採取できる唾液検体を用いて、従来の臨床検査とほぼ同等の精度でGA検査が可能なことが明らかとなりました。この検査法を、本研究グループがこれまでに開発してきた指頭血の郵送検査の手法と組み合わせることで、将来、週1回の在宅唾液GAモニタリングに発展させられる可能性もあります。これらにより、従来の検査法を補完できる完全非侵襲な糖尿病血糖管理法の実現が期待されます。</p>&#13; <p><br/>【用語解説】<br/>(注1)グリコアルブミン(GA) 糖化アルブミンとも呼ばれる。血液に最も多く含まれるタンパク質の一つであるアルブミンが、血液中のグルコース(血糖)により糖化されたもの。総アルブミンに対する糖化アルブミンの比率は一般的にGA値(%)として表記され、直近1~2週間程度の平均血糖値を強く反映することが知られている。直前の食事には大きく影響されないのでいつ測定しても良いという利点もある。日本では通院での血液検査法として確立しており、保険適用されている。<br/><br/>(注2)HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)ヘモグロビンにグルコースが非酵素的に結合した糖化ヘモグロビンの1つ。赤血球に含まれるヘモグロビンの糖化度を%で示す。赤血球の寿命が120日程度であることから、GAに比し緩やかに動き、直近1~2か月程度の平均血糖を示すことが知られている。逆に直近数日の血糖変動の評価に適していないため、日々の行動変容バイオマーカーとして使いにくい。<br/><br/>(注3)SMBG(血糖自己測定:Self-Monitoring of Blood Glucose)最も一般的な自己血糖測定法である。指先を使い捨ての穿刺針で刺して数μlの血液を採取し、携帯型の測定機で瞬間の血糖値を測定する。適切なインスリンの注射量の決定や低血糖の回避のために用いられる。日本においてはインスリンやGLP-1受容体作動薬等の自己注射を利用している患者において保険適用となっている。1テスト回あたり140円前後で測定が可能だが、月間の測定数は数十回から100回以上となる。<br/><br/>(注4)CGM (持続血糖モニタリング:Continuous Glucose Monitoring)数ミリ程度のフィラメント状のグルコースセンサを皮下に挿入し、間質液に含まれる糖を連続的に測定する。10日から14日に一度、アプリケーターを用いてセンサを新しいものに付け替える必要があり、侵襲性の面から改善の余地が大きい。最も安価なもので、月額14,000円程度とコストがかかる。<br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>雑誌名:Diabetes Research and Clinical Practice</li>&#13; <li>論文タイトル:Salivary glycated albumin could be as reliable a marker of glycemic control as blood glycated albumin in people with diabetes.</li>&#13; <li>著者名:Masakazu Aihara, Kouji Yano, Tomoko Irie, Mitsumi Nishi, Kenji Yachiku, Itsushi Minoura, Koshin Sekimizu, Yoshitaka Sakurai, Takashi Kadowaki, Toshimasa Yamauchi, Naoto Kubota*  (* 責任著者)</li>&#13; <li>DOI:<a href="https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39447680/">10.1016/j.diabres.2024.111903</a></li>&#13; <li>掲載日:2024年10月22日(オンライン)</li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/20241115web.pdf">【詳細】</a>(PDF470KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/15 10:00:00 GMT+9 ページ トリプルネガティブ乳がん治療に新たな可能性を発見~乳がんのミトコンドリア阻害は相同組換えを抑制しPARP阻害剤への感受性を高める~_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241111 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>通常、PARP阻害剤はBRCA1/2変異がんに対して使われますが、乳がんのBRCA1/2変異がんの割合は少なく、大多数のがんにPARP阻害薬を効くようにする方法の開発が望まれていました。</li>&#13; <li>発芽大豆由来の低分子化合物グリセオリンIがミトコンドリア阻害剤として乳がんの代謝を変え、BRCA1/2を低下させ、傷ついたDNAを修復しにくい状態を作り上げることを見出しました。</li>&#13; <li>PARP阻害剤とミトコンドリア阻害剤を組み合わせることで、BRCA1/2変異を持たない細胞でもその増殖を抑えることを発見しました。正常細胞に対してはこの作用はありませんでした。</li>&#13; <li>トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン受容体が存在しないため、ホルモン療法や分子標的治療の対象にならず、効果的な治療法が確立されていません。ミトコンドリア阻害剤とPARP阻害剤の併用は、特にトリプルネガティブ乳がんに効果的で、新しい治療法となる可能性があります。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 公益財団法人がん研究会 がん研究所がん生物部 斉藤典子部長、渡邉健司博士研究員、同じくがん化学療法センター 分子薬理部 旦慎吾部長、熊本大学 発生医学研究所 細胞医学分野 中尾光善教授および日野信次朗准教授、量子科学技術研究開発機構 櫻庭俊サブチームリーダー、河野秀俊副所長、PhytoMol-Tech Inc. 落合孝次代表らの共同研究グループは、乳がんにおいてミトコンドリアを標的とする低分子化合物が、がん特異的にBRCA1/2を失わせ、PARP阻害剤が効くようになることを初めて解明しました。<br/>がんでは、エネルギー代謝の異常や、傷ついたDNAが増えることが知られています。<br/>BRCA1/2は相同組み換え(注1)という方法で損傷DNAを修復するタンパク質で、PARP(ポリADPリボシル化酵素)と補完的に働きます。そのためPARP阻害薬は、BRCA1/2遺伝子に変異がある乳がんの増殖を抑え、これは「合成致死」(注2)とよばれます。しかしBRCA1/2変異がんの割合は少なく、大多数のがんに対してPARP阻害薬が効くようにする方法の開発が望まれていました。<br/> 本研究では、発芽大豆由来の低分子化合物グリセオリンIが、ミトコンドリアを阻害し、それにより乳がん細胞では、がん代謝物である乳酸が過剰産生され、BRCA1/2遺伝子の発現が抑制されることを見出しました。BRCA1/2変異がないにもかかわらず、相同組み換え能が低い状態「BRCAness」をもたらしますが、これは、正常細胞ではおきません。<br/>重要なことに、PARP阻害剤をグリセオリンIと組み合わせ投与することで、BRCA1/2変異を持たない乳がん細胞でも増殖を抑えることができました。同じ効果は別のミトコンドリア阻害剤のメトホルミンやフェンホルミンにも確認されました。<br/>本研究はミトコンドリアを標的とする低分子化合物が、がん特異的にBRCA1/2を失わせ、PARP阻害剤が効くようになることを見出しました。ミトコンドリア標的薬とPARP阻害剤を併用することで、がんを治療できる新しい可能性を提案します。<br/> 本研究の成果は、Science Signaling誌に、2024年11月13日付で公開されました。</p>&#13; <p style="text-align: justify;"/>&#13; <p>?</p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(注1)相同組み換え<br/>配列の類似したDNA 間で起きるDNAの組み換え反応。細胞核内で二本鎖DNAの双方ともが切断された場合、相同配列を鋳型にしてこの活性でDNA配列が正確に修復される。<br/><br/>(注2)合成致死<br/>2つの遺伝子が同じ機能の別経路に働くなどの理由により、片方の遺伝子の変異では細胞が死なないが、両方の遺伝子に変異が入ると致死となる現象。がんに特徴的な遺伝子変異を標的にした合成致死療法は、がん<br/>に特異的で副作用が少ないことが期待される。</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?<br/>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名<br/>Metabolically inducing defects in DNA repair sensitizes BRCA–wild-type cancer cells to replication stress.</li>&#13; <li>ジャーナル名<br/>Science Signaling(米国科学振興協会AAAS から発行されるScience 姉妹雑誌)<br/>(※2024年11月13日付でオンラインに掲載されます。)</li>&#13; <li>DOI: <a href="https://www.science.org/doi/10.1126/scisignal.adl6445">10.1126/scisignal.adl6445</a></li>&#13; <li>著者<br/>Kenji Watanabe1*, Tatsuro Yamamoto1, Tomoko Fujita1, Shinjiro Hino2, Yuko Hino2, Kanami Yamazaki3, Yoshimi Ohashi3, Shun Sakuraba4,5, Hidetoshi Kono4,5, Mitsuyoshi Nakao2, Koji Ochiai6, Shingo Dan3, and Noriko Saitoh1*<br/>* 責任著者</li>&#13; </ul>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241111web.pdf">プレスリリース</a>(PDF715KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>国立大学法人熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp<br/> (※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/14 09:10:00 GMT+9 ページ GFAP遺伝子の変異が認知症の発症に関わる大脳白質病変に影響~脳画像所見における遺伝的要素の新知見~_365体育网投 /whatsnew/seimei/20241113 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>MRIで見られる大脳白質病変は脳卒中や認知症の発症に関わる重要な所見ですが、アジア人における遺伝的要因は明らかになっていませんでした。</li>&#13; <li>大規模認知症コホート研究であるJPSC-AD研究(※1)に参加した約9,500人の脳MRI検査とゲノム情報を用いて、大脳白質病変に関連する遺伝子領域を検討しました。</li>&#13; <li>東アジア人で比較的多く見られるGFAP遺伝子の変異が大脳白質病変に関連していることを示し、さらにこれまで報告されていなかった新たな領域を1か所同定しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 大脳白質病変は脳MRI画像でよく見られる病変で、脳卒中や認知症の発症に関わる重要な所見です。大脳白質病変は高血圧などの生活習慣病があると出現しやすいことが報告されていますが、遺伝的要因も関与することが知られています。これまでの研究で大脳白質病変に影響する遺伝要因が明らかにされてきましたが、アジア人を対象としたものは数百人程度での小規模な解析に限られていました。<br/> 九州大学大学院医学研究院 衛生?公衆衛生学分野の二宮利治教授、病態機能内科学の古田芳彦助教、眼病態イメージング講座の秋山雅人講師、および弘前大学、岩手医科大学、金沢大学、慶應義塾大学、松江医療センター、愛媛大学、熊本大学、東北大学、理化学研究所生命医科学研究センターらの共同研究グループは、健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:JPSC-AD研究の参加者9,479人の脳MRI検査とゲノムデータを用いてゲノムワイド関連解析(Genome-Wide Association Study [GWAS(※2)])を行い、大脳白質病変容積に関連する遺伝子座を検索しました。その結果、大脳白質病変容積に関連する遺伝子座として17番染色体のGFAP遺伝子の295番目のアミノ酸を変える変異を同定しました。さらに、英国のUKバイオバンク(※3)研究のGWASデータとの統合解析を実施した結果、20か所の遺伝子座が大脳白質病変容積に関連しており、そのうち6番染色体(SLC2A12遺伝子(※4))に存在する1か所の遺伝子座が新規の遺伝子座であることを明らかにしました。<br/> 本研究成果は、2024年11月13日午後7時(日本時間)に国際学術誌npj Genomic Medicineオンライン版に掲載されました。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> 大脳白質病変の遺伝的構造を明らかにすることにより、認知症や脳卒中の病態解明や発症予防に役立つと考えられます。本研究で欧米人と日本人が共通した遺伝要因を有していることが明らかになったことから、今後はさらに多様な人々のゲノムデータを組み合わせた大規模な解析を行うことで、さらに詳細に解明することが期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p> <br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(※1) 健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:Japan Prospective Studies Collaboration for Aging and Dementia(JPSC-AD) <br/>我が国の8地域(青森県弘前市、岩手県矢巾町、石川県七尾市中島町、東京都荒川区、島根県海士町、愛媛県伊予市中山町、福岡県久山町、熊本県荒尾市)における地域高齢住民約1万人を対象とした大規模認知症コホート研究である(https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/)。<br/>ベースライン調査は2016年-2018年に実施され、予め8地域で標準化された研究計画に基づいて、詳細な臨床情報(認知機能を含む)、頭部MRI画像データ、遺伝子情報を収集している。さらに、認知症や心血管病の発症や死亡に関する追跡調査を継続している。<br/><br/>(※2) ゲノムワイド関連解析:Genome-Wide Association Study(GWAS)<br/>ヒトゲノムの全域に分布する遺伝的変異と、臨床検査値などの量的な形質や病気との因果関係を網羅的に検討する遺伝統計解析手法。これまでに、数百を超える形質や病気を対象に実施され、数多くの関連遺伝的変異が同定されている。<br/><br/>(※3) UKバイオバンク<br/>英国で行われている世界最大規模のバイオバンクで、約50万人の参加者を対象として、遺伝情報、疾患情報、血液などの多彩な情報?試料を収集している。情報は世界中の研究者に提供され、多数の研究結果が発表されている。<br/><br/>(※4) SLC2A12遺伝子<br/>細胞がブドウ糖などの糖を取り込むのを助けるGLUT12と呼ばれるタンパク質をコードしている遺伝子。GLUT12は脳内のアストロサイトに発現していることが示されている。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>掲載誌:npj Genomic Medicine <br/>タイトル:Common protein-altering variant in GFAP is associated with white matter lesions in the older Japanese population<br/>著者名:Yoshihiko Furuta*, Masato Akiyama*, Naoki Hirabayashi, Takanori Honda, Mao Shibata, Tomoyuki Ohara, Jun Hata, Chikashi Terao, Yukihide Momozawa, Yasuko Tatewaki, Yasuyuki Taki, Shigeyuki Nakaji, Tetsuya Maeda, Kenjiro Ono, Masaru Mimura, Kenji Nakashima, Jun-ichi Iga, Minoru Takebayashi, Toshiharu Ninomiya, on behalf of the Japan Prospective Studies for Aging and Dementia (JPSC-AD) Study Group<br/>*共同第一著者<br/>DOI:<a href="https://www.nature.com/articles/s41525-024-00431-x">10.1038/s41525-024-00431-x</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241113-3web.pdf">プレスリリース</a>(PDF866KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/14 08:55:00 GMT+9 ページ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株に有効な抗体の特徴を解明_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241113 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>新型コロナウイルス?デルタ変異株<sup>*1</sup>にブレークスルー感染<sup>*2</sup>した症例から中和モノクローナル抗体<sup>*3</sup>を分離し、一部の抗体がオミクロン変異株のEG.5.1, JN.1を含む多くの変異株を中和することを明らかにしました。</li>&#13; <li>多くの変異株を中和する広域中和抗体<sup>*4</sup>はIGHV3-53/3-66遺伝子<sup>*5</sup>を使用しており、この遺伝子を持った抗体が体細胞超変異<sup>*6</sup>を蓄積して多くの変異株を中和する抗体へと成熟する可能性が示唆されました。</li>&#13; <li>従来型ワクチンの接種や新型コロナウイルス感染によって誘導された抗体を成熟させるワクチンを開発することで、多くの変異株に効果的な中和抗体を誘導し、ウイルス感染を防ぐことが可能になります。</li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【発表概要】</p>&#13; <p> ヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパスの松下修三特任教授らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)デルタ変異株にブレークスルー感染した症例からモノクローナル抗体を分離し、多くの変異株を中和する抗体の特徴を明らかにしました。ワクチン接種や新型コロナウイルス感染によって誘導されるIGHV3-53/3-66遺伝子を持った抗体が、体細胞超変異を蓄積して多くの変異株を中和する広域中和抗体へと成熟する可能性が示唆されました。IGHV3-53/3-66遺伝子を使用するK4-66抗体は、最近流行したオミクロン株のEG.5.1, JN.1を含む全ての変異株を中和し、XBB.1.5変異株に感染したハムスターの肺でのウイルス増殖を抑制しました。また、K4-66抗体の構造解析によって、さまざまな変異株との結合に静電相互作用が重要であることを示しました。これらの結果は、従来型ワクチンの接種や新型コロナウイルス感染によって誘導された抗体が、さまざまな変異株を中和する広域中和抗体へと成熟する可能性を示しています。特定の抗体の成熟を促進して広域中和抗体を誘導することが、多様な変異株に対応するワクチン戦略として有効であると考えられます。<br/>本研究は、東京大学?医科学研究所の河岡義裕特任教授を始めとした多数の共同研究者の協力によってなされました。<br/> なお、本研究成果は、令和6年11月1日(金)(現地時間)に科学雑誌「eBioMedicine」に掲載されました。<br/> また、本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「橋渡し研究プログラム(東京大学拠点)」「中和モノクローナル抗体を用いた新型コロナウイルス感染症の治療法の開発」(課題番号:JP23ym0126048 h0003)の支援を受けて実施したものです。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*1 変異株:新型コロナウイルスの流行拡大によって出現した、顕著な変異を有するウイルス株。オミクロン株は従来の変異株より多くの変異を蓄積し、亜系統が多く出現している。伝播力の向上や、免疫からの逃避能力の獲得などが報告されている。<br/>*2 ブレークスルー感染:新型コロナウイルス?ワクチンを接種した後に新型コロナウイルスに感染すること。ワクチン効果の減衰や、ワクチンで誘導した抗体から逃避した変異株による感染が主要な原因と考えられている。<br/>*3 中和モノクローナル抗体:ウイルスの表面にあるスパイク?タンパク質に結合し、標的細胞への感染を阻止する抗体。<br/>*4 広域中和抗体:様々な変異を持ったウイルス株を広範に中和する抗体。<br/>*5 IGHV3-53/3-66遺伝子:抗原と結合する可変部位をコードする遺伝子は多数存在し、抗体産生の際に重鎖と軽鎖の可変部位の遺伝子が一つずつ選ばれる。IGHV3-53、IGHV3-66遺伝子は重鎖可変部位の遺伝子であり、配列が非常に似ている。<br/>*6 体細胞超変異:抗体が成熟する過程で、抗体の可変領域に高頻度で入る変異のこと。Activation-induced cytidine deaminase (AID)によって制御され、抗体の親和性上昇に重要である。<br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Induction of IGHV3-53 public antibodies with broadly neutralising activity against SARS-CoV-2 including Omicron subvariants in a Delta breakthrough infection case<br/>著者:Takeo Kuwata,*, Yu Kaku, Shashwata Biswas, Kaho Matsumoto, Mikiko Shimizu, Yoko Kawanami, Ryuta Uraki, Kyo Okazaki, Rumi Minami, Yoji Nagasaki, Mami Nagashima, Isao Yoshida, Kenji Sadamasu, Kazuhisa Yoshimura, Mutsumi Ito, Maki Kiso, Seiya Yamayoshi, Masaki Imai, Terumasa Ikeda, Kei Sato, Mako Toyoda, Takamasa Ueno, Takako Inoue, Yasuhito Tanaka, Kanako Tarakado Kimura, Takao Hashiguchi, Yukihiko Sugita, Takeshi Noda, Hiroshi Morioka, Yoshihiro Kawaoka, Shuzo Matsushita,*, and G2P-Japan Consortium (*Corresponding)<br/>掲載誌:eBioMedicine<br/>doi:<a href="https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2024.105439">https://doi.org/10.1016/j.ebiom.2024.105439</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241113.pdf">プレスリリース</a>(PDF1095KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>ヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパス<br/>抗ウイルス療法?血液疾患研究共同研究講座 <br/>担当:特任教授 松下修三(まつしたしゅうぞう)<br/>電話:096-371-4536<br/>メールアト?レス: shuzo※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/13 10:00:00 GMT+9 ページ 肥満予防の生理活性タンパクの発見-褐色脂肪活性化による糖尿病治療への取り組み-_365体育网投 /whatsnew/seimei/20241108 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>エネルギーは主に白色脂肪に蓄えられますが、若年時には褐色脂肪によってエネルギーが消費されます。加齢とともに褐色脂肪が退縮すると、肥満のリスクが増加します。</li>&#13; <li>褐色脂肪活性化因子として肝臓由来のタンパク「SerpinA1(セルピンA1」)」を同定し、脂肪細胞のミトコンドリア機能を活性化することを明らかにしました。</li>&#13; <li>動物実験でSerpinA1を増やすことでエネルー消費が増加し、肥満および糖代謝の改善が見られました。SerpinA1による新しい肥満および糖尿病の治療法の開発が期待されます。<br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p>??? 熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学講座/熊本大学病院糖尿病?代謝?内分泌内科の阪口雅司助教、岡川章太研究生、窪田直人教授および荒木栄一名誉教授らのグループは、肝臓由来のタンパク「SerpinA1」<sup>注1</sup>が、褐色脂肪組織の活性化や白色脂肪の褐色化(ベージュ化)を誘導し、エネルギー代謝を改善することを明らかにしました。SerpinA1は脂肪細胞表面EphB2<sup>注2</sup>と相互作用して、ミトコンドリアで熱産生を行うUCP1<sup>注3</sup>の発現を促進し、褐色および白色脂肪細胞のミトコンドリアの活性化を起こします。この研究は、肥満と肝臓障害の関連を明らかにし、メタボリックシンドロームの迅速診断と治療への新しい道筋をつけるものです。<br/> 本研究成果は、日本時間2024年11月12日(火)19 時(ロンドン時間 11月12日(火)10時)に、Springer Nature社が刊行する科学学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。本研究は、熊本大学生命資源研究?支援センター、ハーバード大学ジョスリン糖尿病センター、米国パシフィックノースウエスト国立研究所などの国際的な協力のもと、文部科学省の科学研究費助成事業の支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p><br/><em/></p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 今後、この研究成果を基に、脂肪組織の機能を活用した新たな肥満および糖尿病治療法の開発が期待されます。</p>&#13; <p><br/>【用語解説】<br/>注1 SerpinA1(Serine Protease Inhibitor, Clade A, Member 1): <br/>主に肝臓で産生されるタンパク。α1-アンチトリプシン(AAT)としても知られており、特に好中球エラスターゼといったプロテアーゼを阻害することで、組織の保護に重要な役割を果たすことが知られている。<br/><br/>注2 EphB2:<br/>エフリンおよびEph受容体は、受容体型チロシンキナーゼのサブファミリーを構成しており、EphB2はその一つ。特に神経系および造血系などの発生や組織形成に重要な役割を果たす。<br/><br/>注3 UCP1(Uncoupling Protein 1、脱共役タンパク1): <br/>主に褐色脂肪細胞に存在するタンパク。ミトコンドリアの内膜に存在し、熱産生を促進する役割を果たす。<br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:Hepatic SerpinA1 Improves Energy and Glucose Metabolism through Regulation of Preadipocyte Proliferation and UCP1 Expression</li>&#13; <li>著者: Shota Okagawa, Masaji Sakaguchi(責任著者), Yuma Okubo, Yuri Takekuma, Motoyuki Igata, Tatsuya Kondo, Naoki Takeda, Kimi Araki, Bruna Brasil Brandao, Wei-Jun Qian, Yu-Hua Tseng, Rohit N. Kulkarni, Naoto Kubota, C. Ronald Kahn and Eiichi Araki</li>&#13; <li>掲載誌:Nature Communications</li>&#13; <li>doi:<a href="https://www.nature.com/articles/s41467-024-53835-9">10.1038/s41467-024-53835-9</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241108web.pdf">プレスリリース</a>(PDF261KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学大学院生命科学研究部(医学系)<br/>担当:助教 阪口雅司<br/>電話:096-373-5169<br/>e-mail:msakaguchi※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/13 09:10:00 GMT+9 ページ SARS-CoV-2オミクロンXEC株のウイルス学的特性の解明_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241112 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>2024年10月現在、オミクロンBA.2.86株の子孫株である「オミクロンXEC株」が世界各地で流行を拡大しつつある。</li>&#13; <li>本研究は、オミクロンXEC株の伝播力、培養細胞における感染性、液性免疫からの逃避能を明らかにした。</li>&#13; <li>オミクロンXEC株は、オミクロンKP.3.3株への自然感染により誘導された中和抗体に対して、現在の主流行株であるオミクロンKP.3.1.1株よりも高い逃避能を有し、高い伝播力(実効再生産数)を有することが分かった。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【発表概要】</p>&#13; <p> 東京大学医科学研究所システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) consortium」(注1)は、現在流行が拡大しつつある「オミクロンXEC株」の流行動態や免疫抵抗性等のウイルス学的特性を明らかにしました。XEC株は、「オミクロンKS.1.1株」および「オミクロンKP.3.3株」の組み換えにより誕生した変異株で、世界保健機関(WHO)により「監視下の変異株(currently circulating variants under monitoring,VUM)」(注2)に分類されています。<br/>統計モデリング解析により、オミクロンXEC株は、現在の流行株であるオミクロンKP.3.1.1株よりも高い実効再生産数(注3)を示すことを複数の地域において確認しました。また、感染中和試験の結果、オミクロンXEC株は、これまでのオミクロン系統の流行株(XBB.1.5株、JN.1株およびKP.3.3株)の既感染もしくはブレイクスルー感染(breakthrough infection, BTI)(注4)によって誘導される中和抗体(注5)に対してオミクロンKP.3株より高い逃避能を示し、特にKP.3.3株BTI誘導中和抗体に対しては、オミクロンKP.3.1.1株より高い逃避能を示すことが分かりました。<br/> 本研究成果は2024年11月6日、英国科学雑誌「The Lancet Infectious Diseases」オンライン版で公開されました。</p>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【発表者】</p>&#13; <p>東京大学医科学研究所 感染?免疫部門 システムウイルス学分野<br/>佐藤 佳 教授<br/>郭 悠 特任助教<br/>奥村 佳穂 技術補佐員<br/>川久保 修佑 特任研究員<br/>瓜生 慧也 特任研究員<br/>陳 犖 大学院生<br/>小杉 優介 日本学術振興会特別研究員、大学院生<br/>伊東 潤平 准教授<br/><br/><strong>ヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパス 分子ウイルス?遺伝学分野</strong><br/><strong>池田 輝政 准教授</strong><br/><strong>MST Monira Begum 特別研究員</strong><br/><strong>Sharee Leong 大学院生</strong><br/><br/>研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) consortium」</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(注1)研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) consortium 」<br/>東京大学医科学研究所 システムウイルス学分野の佐藤佳教授が主宰する研究チーム。日本国内の複数の若手研究者?研究室が参画し、研究の加速化のために共同で研究を推進している。現在では、イギリスを中心とした諸外国の研究チーム?コンソーシアムとの国際連携も進めている。<br/><br/>(注2)監視下の変異株(VUM:currently circulating variants under monitoring)<br/>ウイルスの特性に影響を与えると思われる遺伝子変異を持つものの、表現型や疫学的な影響の証拠は現時点では不明である変異株。<br/><br/>(注3)実効再生産数<br/>特定の状況下において、1人の感染者が生み出す二次感染者数の平均。ここでは、変異株間の流行拡大能力の比較の指標として用いている。<br/><br/>(注4)ブレイクスルー感染(BTI:breakthrough infection)<br/>新型コロナウイルスワクチンを2回接種したのち、2週間以上経ってからSARS-CoV-2に感染すること。<br/><br/>(注5)中和抗体<br/>獲得免疫応答のひとつ。B細胞によって産生される抗体でSARS-CoV-2の主にスパイクタンパク質の細胞への結合を阻害し、ウイルス感染を中和する作用がある。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>雑誌名 :The Lancet Infectious Diseases<br/>題 名 :Virological characteristics of the SARS-CoV-2 XEC variant<br/>著者名 :郭 悠#, 奥村 佳穂#, 川久保 修佑, 瓜生 慧也, 陳 犖, 小杉 優介, 上蓑義典, MST Monira Begum, Sharee Leong, 池田 輝政, 貞升健志, 浅倉弘幸, 長島真美, 吉村和久, The Genotype to Phenotype Japan (G2P-Japan) Consortium, 伊東 潤平, 佐藤 佳*.<br/>(#Equal contribution; *Corresponding author)<br/>DOI : <a href="https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(24)00731-X/fulltext">10.1016/S1473-3099(24)00731-X</a><br/>URL : <a href="https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(24)00731-X/fulltext">https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(24)00731-X/fulltext</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241112-1a.pdf">プレスリリース</a>(PDF735KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>E-mail: sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/11/12 14:00:00 GMT+9 ページ PARKS採択者記念ピッチを開催_365体育网投 /whatsnew/koho/2024/20241105 <![CDATA[<p> 令和6年<span>10</span>月<span>30</span>日(水)に、ビジネス支援施設「<span>XOSS POINT</span>(クロスポイント)」で、『<span>PARKS</span>採択者記念ピッチ』が開催され、<span>PARKS</span>(<span>Platform for All Regions of Kyushu &amp; Okinawa for Startup-ecosystem</span>)が運営する令和<span>6</span>年度大学発新産業創出基金事業スタートアップ?エコシステム共創プログラム<span> GAP</span>ファンドプログラムに採択された本学教員6名、学生1名が登壇し、研究内容や事業化計画等を発表しました。</p>&#13; <p> 本イベントは、学内学外問わず幅広く学内ベンチャー創出の取組を知って頂くことで、熊本県内のベンチャー創出への流れが加速することを目的として開催され、約<span>60</span>人が参加し、大盛況のうちに会は終了しました。</p>&#13; <p> 今後益々ベンチャー創出への流れが加速していくことが期待されます。</p>&#13; <table style="width: 813px;">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 400.219px;"><strong><img src="/whatsnew/koho/koho_file/2024/gcwbwy/@@images/50788026-62ff-4c68-b775-1a287602f6f8.jpeg" title="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2460;.jpg" height="277" width="375" alt="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2460;.jpg" class="image-inline"/></strong></td>&#13; <td style="width: 410.781px;"><img src="/whatsnew/koho/koho_file/2024/65x37p/@@images/2135772b-8d9f-4305-ad95-5173a8c50358.jpeg" title="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2462;.jpg" height="268" width="362" alt="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2462;.jpg" class="image-inline"/></td>&#13; </tr>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 400.219px;"><img src="/whatsnew/koho/koho_file/2024/pz3lox/@@images/e3eb9904-2aab-40cd-aba0-919ee5f3da33.jpeg" title="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2461;.jpg" height="267" width="362" alt="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2461;.jpg" class="image-inline"/></td>&#13; <td style="width: 410.781px;"><img src="/whatsnew/koho/koho_file/2024/r2ax8j/@@images/21eb29a9-b1e1-48e1-95e8-c3e8313f8825.jpeg" title="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2463;.jpg" height="273" width="369" alt="PARKS&#x8A18;&#x5FF5;&#x30D4;&#x30C3;&#x30C1;&#x2463;.jpg" class="image-inline"/></td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; <p>&#13; &#13; </p>&#13; <div class="e-responsive-table"/>&#13; <div class="e-responsive-table"><お問い合わせ><br/>熊本創生推進機構イノベーション推進部門</div>&#13; <div class="e-responsive-table">entre<span>?[AT]?</span>jimu.kumamoto-u.ac.jp ※ [AT] を @ に書き換えてご使用ください。</div>&#13; <p>&#13; &#13; </p>&#13; <div class="e-responsive-table"/>&#13; <p>&#13; &#13; </p>]]> No publisher 研究 その他 2024/11/05 00:00:00 GMT+9 ページ パーキンソン病などのシヌクレイノパチーにおける病態機序を解明-G4を標的に神経変性を「未病」で防ぐ-_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20241021 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>パーキンソン病などのシヌクレイノパチーは、細胞内でのαシヌクレインの凝集により引き起こされますが、その凝集機序は不明でした。</li>&#13; <li>本研究グループは、αシヌクレインが「グアニン四重鎖(G4)」<sup>※</sup>の集積を足場として凝集することを明らかにしました。</li>&#13; <li>G4の集積を抑制する薬剤は、シヌクレイノパチーモデルマウスにおけるαシヌクレインの凝集を阻害し、進行性の運動機能の低下を予防しました。</li>&#13; <li>G4の集積は、遺伝性だけでなく孤発性の神経変性の原因にもなることから、「G4の集積抑制」が神経変性疾患の「未病」に向けた創薬に繋がります。</li>&#13; </ul>&#13; <ul>【概要説明】</ul>&#13; <p> 熊本大学発生医学研究所の塩田倫史教授、矢吹悌准教授および松尾和哉助教らの研究グループは、シヌクレイノパチーの発症機序を新たに解明しました。<br/>シヌクレイノパチーは、パーキンソン病、レビー小体型認知症を含む進行性の神経変性疾患の総称です。シヌクレイノパチーでは、「αシヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が細胞内に凝集することで神経機能の障害を引き起こしますが、その凝集機序は不明でした。本研究グループは、RNA高次構造のひとつである「グアニン四重鎖(G4)」の集積がαシヌクレイン凝集の足場となることを発見しました。パーキンソン病患者の剖検脳を解析したところ、αシヌクレイン凝集体の約90%にG4が集積していました。さらに、本研究グループが見出したG4の集積を抑制する薬剤である「5-アミノレブリン酸」<sup>(参考文献1)</sup>をシヌクレイノパチーモデルマウスに経口投与したところ、αシヌクレインの凝集が阻害され、進行性の運動機能の低下が予防できました。<br/>これまで本研究グループは、遺伝性の神経変性疾患においてもG4の集積が神経機能の障害を引き起こすことを報告しています<sup>(参考文献2)</sup>。また、アルツハイマー病に深く関わる「タウ」と呼ばれるタンパク質もG4により凝集することも明らかにしています<sup>(参考文献3)</sup>。すなわち、「G4の集積」を抑制することは、神経変性疾患全般の「未病」に向けた創薬に繋がります。<br/> 本研究成果は、文部科学省科学研究費助成事業(課題番号:JP21K20723,? JP22J00687, JP21K06579, JP23H03851, JP21H00207, JP20K21400, JP22K19297, JP23H00373)、日本医療研究開発機構(AMED)革新的先端研究開発支援事業「RNA相転移によるプリオン性タンパク質のプロテオスタシス破綻機構」(課題番号:JP23gm6410021h0003)、脳とこころの研究推進プログラム「RNA相転移によるシヌクレイノパチー発症機序の解明」(課題番号:JP23wm0525023h0003)、JST創発的研究支援事業「グアニン四重鎖によるプリオノイド?イノベーション」(JPMJFR2043)、熊本大学発生医学研究所共同研究拠点、熊本大学発生医学研究所高深度オミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業、文部科学省共同利用?共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」などの支援を受けて、科学雑誌「セル(Cell)」オンライン版に米国(ET)時間の令和6年10月18日午前11時(日本時間10月19日午前0時)に掲載されました。</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?</p>&#13; <p>【成果?展開】<strong> </strong></p>&#13; <p> 今回、αシヌクレインを細胞内で凝集する分子が「G4」であることを初めて同定し、「G4の集積抑制」によってシヌクレイノパチーの発症を予防できることを証明しました。これまで本研究グループは、遺伝性の神経変性疾患においてもG4の集積が神経変性を引き起こすことを報告しています(参考文献2)。また、アルツハイマー病に深く関わる「タウ」と呼ばれるタンパク質もG4により凝集することも明らかにしています(参考文献3)。すなわち、「G4の集積」を抑制することは、神経変性疾患全般の「未病」に向けた創薬に繋がります。</p>&#13; <p>?</p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※グアニン四重鎖(G4)<br/>DNAおよびRNAの高次構造の一種。グアニンに富む核酸配列で形成される。4つのグアニンが四量体を作った面(G-カルテット)が2面以上重なった構造体である。本研究では、RNAで形成されるG4の集積がαシヌクレイン凝集の足場となることを示した。</p>&#13; <p>参考文献1:Shioda et al. Nature Medicine 24, 802-813. (2018)<br/>参考文献2:Asamitsu et al. Science Advances 7, eabd9440. (2021)<br/>参考文献3:Yabuki et al. bioRχiv doi: https://doi.org/10.1101/2024.03.01.582861</p>&#13; <p style="text-align: justify;">?<br/>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:RNA G-quadruplexes form scaffolds that promote neuropathological α-synuclein aggregation.</li>&#13; <li>著者:Kazuya Matsuo, Sefan Asamitsu, Kohei Maeda, Hiroyoshi Suzuki, Kosuke Kawakubo, Ginji Komiya, Kenta Kudo, Yusuke Sakai, Karin Hori, Susumu Ikenoshita, Shingo Usuki, Shiori Funahashi, Hideki Oizumi, Atsushi Takeda, Yasushi Kawata, Tomohiro Mizobata, Norifumi Shioda* and Yasushi Yabuki*<br/>?(* Co-corresponding authors)</li>&#13; <li>掲載誌:Cell</li>&#13; <li>doi:<a href="https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037">10.1016/j.cell.2024.09.037</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037">https://doi.org/10.1016/j.cell.2024.09.037</a></li>&#13; </ul>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release241021.pdf">プレスリリース</a>(PDF505KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p>?</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" width="142" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" height="134" class="image-inline"/>??</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学発生医学研究所ゲノム神経学分野<br/>担当:教授 塩田 倫史<br/>?????  准教授 矢吹 悌<br/>電話:096-373-6633<br/>e-mail:shioda※kumamoto-u.ac.jp<br/>   ?? yabukiy※kumamoto-u.ac.jp<br/> (※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/10/21 10:50:00 GMT+9 ページ 熊本大学附属学校国際クラスのホームページを開設しました!_365体育网投 /whatsnew/kyouiku/20240920 <![CDATA[<p>熊本大学附属学校国際クラスのホームページを開設しました!</p>&#13; <p>The website of the International Course at schools attached to <br/>the Faculty of Education, Kumamoto University, is now live!</p>&#13; <ul>&#13; <li class="arrow"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/">国際クラスホームページ?</a>&#13; <table height="186" width="839">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 815px;"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/"><img src="/whatsnew/zinbun/zinbun_file/20240920/@@images/97eba3d8-ea56-4521-903a-a408cf1eae12.jpeg" title="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;" alt="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;" class="image-inline"/></a></td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; </li>&#13; </ul>&#13; <figure class="is-left is-one-fourth"/>&#13; <figure class="is-right is-one-fourth"/>&#13; <p>&#13; &#13; </p>]]> No publisher 研究 2024/09/20 15:35:00 GMT+9 ページ 令和7年度(2025年度)の外国人児童志願者募集を行います。_365体育网投 /whatsnew/kyouiku/20240920-2 <![CDATA[<p>令和7年度(2025年度)の外国人児童志願者募集を行います。<br/>We are accepting international applicants residing in Kumamoto (foreign citizens)<br/>for FY 2025.</p>&#13; <ul>&#13; <li class="arrow">こちらをクリック!Click here! <a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/">国際クラスホームページ</a>&#13; <table height="186" width="839">&#13; <tbody>&#13; <tr>&#13; <td style="width: 815px;"><a href="https://www.educ.kumamoto-u.ac.jp/kokusai/"><img src="/whatsnew/zinbun/zinbun_file/20240920-2/@@images/e429b703-6bf6-48b8-967b-92d4db25c749.png" title="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;&#x2461;" alt="&#x56FD;&#x969B;&#x30AF;&#x30E9;&#x30B9;&#x2461;" class="image-inline"/></a></td>&#13; </tr>&#13; </tbody>&#13; </table>&#13; </li>&#13; </ul>&#13; <figure class="is-left is-one-fourth"/>&#13; <figure class="is-right is-one-fourth"/>&#13; <p>&#13; &#13; </p>]]> No publisher 研究 2024/09/20 15:35:00 GMT+9 ページ 貧血時に体内で赤血球が増える新たなメカニズムを発見_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240920 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>重度の貧血になると未熟な赤血球<sup>*1</sup>が育つのみではなく、造血幹細胞<sup>*2</sup>が急速に増幅し、より赤血球を作りやすく変化することを発見しました。</li>&#13; <li>重度の貧血状況下では脂質代謝に関わるアポリポタンパク質E<sup>*3</sup>が増加し、表面に超低密度リポタンパク質(VLDL)受容体<sup>*4</sup>をもつ造血幹細胞に作用してより赤血球を作りやすくすることがわかりました。</li>&#13; <li>本研究の成果により、これまで治療が困難だった重度貧血の治療法開発に結びつく事が期待されます。<br/><br/><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 <br/>??? 熊本大学国際先端医学研究機構の三原田賢一特別招聘教授らの研究グループは、スウェーデン?ルンド大学の研究チームと共同で、体内で赤血球が増える新たなメカニズムを発見しました。これまで、急激な貧血が起こると赤血球になることが決定した未熟な細胞(赤芽球)が増える仕組みはわかっていましたが、より幼若な「造血幹細胞」がどう反応するかわかっていませんでした。本研究により、これまでの治療では十分な効果が得られなかった重度貧血などの新たな治療法開発につながると考えられます。本研究成果は令和6年9月16日(米国東海岸時間10:00)に科学雑誌「ネイチャー?コミュニケーションズ」に掲載されました。<br/><br/> <br/><br/><br/></p>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> エリスロポエチンは薬剤として貧血治療にも使われていますが、患者さんの中にはエリスロポエチンの効果が低い人もいます。また、貧血の治療には鉄剤の投与や輸血なども用いられていますが、頻繁な鉄剤投与や輸血は鉄の体内沈着を起こし、別の病気を起こす事も知られています。本研究の成果は、従来知られていた赤血球生産の仕組みとは異なる機序が存在することを示しており、これまでの治療法で十分に効果が得られなかった重度貧血の患者さんに対する新たな治療法開発につながることが期待されます。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>*1赤血球: 血管内を循環し、体中の組織に酸素を運搬する。また、二酸化炭素を結合し回収する役割も担う。腸内細菌等を除くと体内で最も数の多い細胞であり、人間を構成する細胞の80%以上が赤血球である。<br/><br/>*2造血幹細胞: すべての血液細胞の源である血液の幹細胞。すべての種類の血液細胞に分化する能力(多分化能)と、自身と同等の能力を持つ細胞を複製する能力(自己複製能)を有する。通常は骨髄内の微小環境で休眠しているが、血液細胞を多く作る必要があると休眠から起きて分裂を開始する。<br/><br/>*3アポリポタンパク質E(ApoE): 脂質とタンパク質から構成される複合体であるリポタンパク質に含まれるタンパク質。中でも、カイロミクロンや超低密度リポタンパク質(VLDL)に含まれており、脂質代謝で重要な役割を担う。<br/><br/>*4超低密度リポタンパク質(VLDL)受容体: VLDLやApoEに結合するタンパク質で、細胞の表面に存在する。<br/><br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>論文名:Lipoprotein metabolism mediates hematopoietic stem cell responses under acute anemic conditions<br/>(リポタンパク質代謝が造血幹細胞の急性貧血応答を制御する)<br/><br/>著者:Kiyoka Saito, Mark van der Garde, Terumasa Umemoto, Natsumi Miharada, Julia Sj?berg, Valgardur Sigurdsson, Haruki Shirozu, Shunsuke Kamei, Visnja Radulovic, Mitsuyoshi Suzuki, Satoshi Nakano, Stefan Lang, Jenny Hansson, Martin L Olsson, Takashi Minami, Gunnar Gouras, Johan Flygare, and Kenichi Miharada*<br/><br/>掲載誌:Nature Communications<br/>doi:<a href="https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w">https://doi.org/10.1038/s41467-024-52509-w </a><br/>URL:<a href="https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w">https://www.nature.com/articles/s41467-024-52509-w</a></p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240920.pdf">プレスリリース</a>(PDF252KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学国際先端医学研究機構<br/>幹細胞プロテオスタシス学講座<br/>担当:三原田賢一(みはらだけんいち)<br/>電話:096-373-6885<br/>e-mail:kenmiharada※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/20 11:00:00 GMT+9 ページ 植物の「内と外」を最初に作る仕組みを発見 ?細胞はかたちを少し変えることで分裂の方向を決めている?_365体育网投 /whatsnew/sizen/20240918 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li style="text-align: justify;">植物の胚の最外層で働く遺伝子が壊れると、内側と外側の組織の性質が混在する胚が作られることを発見しました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">単細胞である受精卵の第一分裂から、内外軸が作られるまでの胚発生の様子を精緻に捉えることに成功しました。</li>&#13; <li style="text-align: justify;">細胞分裂の方向は、第一分裂後の細胞のかたちや核の場所をもとに決まるという数学的なルールをシミュレーション計算によって特定しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 </p>&#13; <p> 植物の基本的な構造は、茎や根のような円筒型です。内側の維管束と、外側の表皮とを繋ぐ平面的な内外軸をもつことが、植物のかたち作りにとって重要です。しかし、内外軸がいつ?どのように作られ始めるのかは長年の謎でした。<br/>東北大学の植田美那子教授、広島大学の藤本仰一教授、熊本大学の檜垣匠教授、東京大学の東山哲也教授らの共同研究グループは、モデル植物のシロイヌナズナにおいて、胚の最外層で働くHD-ZIP IV転写因子群を壊すと、内外軸がうまく作れなくなることを見出しました。また、受精卵から胚が次第に作られていく様子を、ライブイメージングによって詳細に追跡した結果、受精卵の第一分裂の直後から、この転写因子群の働きによって細胞が少し横に伸び、核が細胞の底面に位置することや、その後に細胞が左右に分裂し、内外分裂に至ることを発見しました。さらに、細胞のかたちと核の位置によって、数学的に最も安定な場所に分裂面が作られることを突き止めました。<br/>この研究によって、細胞のかたちや核の位置という幾何学的な情報をわずかに変化させるだけで分裂方向が決まるという、精緻な戦略が明らかになりました。この発見により、植物の体軸形成への理解が進むと期待されます。<br/>本研究成果はCurrent Biology誌に2024年9月19日付で掲載されます。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究では、植物の内外軸が作られ始める詳細な動態を世界で初めてリアルタイムで観察し、その過程に必要となる転写因子群や、数学的なルールも突き止めました。受精卵から作られる胚だけでなく、植物が成長する過程で茎から分岐する枝や花などの器官も、それぞれの内外軸を独自に設定することで、適切なかたちを生み出します。そこで今後は、本研究が明らかにした「内外軸を作る仕組み」が、ほかの器官にも共通した普遍的な機構かを調べる必要があります。また、育種の際に、有益な親株同士を掛け合わせて作った雑種胚が奇形になって育たない例が多くあり、植物のかたち作りの理解は農業研究にとっても重要です。したがって、今後は本研究をさらに発展させ、HD-ZIP IV転写因子群がどのように細胞の幾何学変化を引き起こすかを解明することで、植物のかたち作りをさらに深く理解できるだけでなく、農業研究にとっても有益な基盤情報を提供できると期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong><br/>タイトル:HD-ZIP IV genes are essential for embryo initial cell polarization and the radial axis formation in Arabidopsis<br/>著者: Sayuri Tanaka, Yuuki Matsushita, Yuga Hanaki, Takumi Higaki, Naoya Kamamoto, Katsuyoshi Matsushita, Tetsuya Higashiyama, Koichi Fujimoto, and Minako Ueda*<br/>*責任著者:東北大学大学院生命科学研究科 教授 植田美那子<br/>筆頭著者:<br/>名古屋大学大学院理学研究科 田中小百合<br/>掲載誌:Current Biology<br/>DOI:10.1016/j.cub.2024.08.038<br/>URL:https://doi.org/10.1016/j.cub.2024.08.038</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240918-2-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_02_ja_2.png/@@images/8032ba3d-a877-4a15-b6fd-60f50cbdf9de.png" title="sdg_icon_02_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_02_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/20 10:00:00 GMT+9 ページ 飛べない鳥エミューの翼が短くなる新たなメカニズムを解明-胚や胎児の運動の違いが形態の進化を引き起こす可能性-_365体育网投 /whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240918 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>エミューの翼の骨の短縮や左右非対称な融合は、筋形成不全により胚発生中に翼の骨へのメカノストレスが不足するためと解明</li>&#13; <li>胚の翼の原基に生じる筋前駆細胞の細胞死によって筋形成不全が生じることを発見</li>&#13; <li>胚や胎児の運動の違いが形態の進化の原因となる可能性を示唆<br/><br/><br/><br/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 <br/>??? 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の田中幹子教授と坪井絵里子大学院生(研究当時)、小野沙桃実大学院生、イングリッド?ローゼンバーグ?コルデイロ(Ingrid Rosenburg Cordeiro)大学院生(研究当時)らは、基礎生物学研究所の重信秀治教授、熊本大学のゴジュン?シェン(Guojun Sheng)教授、東京慈恵会医科大学の岡部正隆教授らと共同で、エミューの翼の骨格パターンの解析と翼の筋肉の発生プロセスの解析から、エミューの翼の退縮にこれまで知られていた遺伝的な原因だけでなく、新たなメカニズムが存在することを明らかにした。<br/> 飛べない鳥であるエミューは、翼が著しく退縮しているが、その形態形成のメカニズムには不明な点が多かった。今回の研究では、エミューの翼の骨格が退縮しているだけでなく、左右非対称なパターンを示していることが分かった。そしてその原因が翼の先端に筋肉が作られないために、胚発生中に翼をほとんど動かせず、骨の発生に必要なメカノストレス(用語1)を翼の骨になる細胞が十分に受け取れていないためであることが示された。さらに、エミューの翼の先端に筋肉がないのは、体節(用語2)由来の筋前駆細胞と側板中胚葉(用語3)細胞の二重のアイデンティティを持つ筋前駆細胞が存在し、これらが融合して筋繊維になるときに、細胞死(用語4)を起こすためであることを明らかにした。今回の研究成果は、胚や胎児の運動の違いが、形態の進化を起こす可能性があることを示唆している。<br/> 本研究成果は9月19日(現地時間)の「Nature Communications」で公開された。<br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【今後の展開】</p>&#13; <p> 今回の研究は、手足の骨格形態の進化に対する運動量の役割を示唆する結果となった。胚期や胎児期に手足の運動量が抑制されるような自然環境におかれている生物において、骨格形態に影響が生じている可能性も十分に考えられる。本研究は、動物の形態の進化に環境要因による影響を受けやすい胚や胎児の運動量が関係していることを示唆する、画期的なものだと言える。</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>(1)メカノストレス:組織や細胞にかかる物理的な力で、筋肉の収縮をはじめ、さまざまな力学的要因から生じる。この力は骨の発生や成長を含め、さまざまな組織の発達に重要な役割を果たす。<br/>(2)体節:発生中の脊椎動物の胚でみられるブロック状の構造であり、筋肉、骨、真皮など、体の主要な組織に発達する細胞が含まれる。通常、手や足の筋肉は体節由来である。<br/>(3)側板中胚葉:胚の外側に位置する中胚葉の一部で、手足の原基や体壁、心臓、血管などを形成する。<br/>(4)細胞死:細胞が死ぬ現象であり、発生過程や組織の維持において重要な役割を果たす。<br/><br/><br/><br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>掲載誌:Nature Communications<br/>論文タイトル:Immobilization secondary to cell death of muscle precursors with a dual transcriptional signature contributes to the emu wing skeletal pattern<br/>著者:Eriko Tsuboi?, Satomi F Ono?, Ingrid Rosenburg Cordeiro?, Reiko Yu, Toru Kawanishi, Makoto Koizumi, Shuji Shigenobu, Guojun Sheng, Masataka Okabe, and Mikiko Tanaka<br/>?These authors contributed equally to this work.<br/>DOI:10.1038/s41467-024-52203-x</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240918.pdf">プレスリリース</a>(PDF988KB)</p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>Tel:096-342-3269 Fax:096-342-3110<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/19 18:00:00 GMT+9 ページ 全国8地域からなる大規模認知症コホート研究で糖代謝異常と海馬亜領域体積との関連を報告_365体育网投 /whatsnew/seimei/20240919 <![CDATA[<p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経内科学の小野賢二郎教授,九州大学大学院医学研究院衛生?公衆衛生学分野の二宮利治教授,岩手医科大学医学部内科学講座脳神経内科?老年科分野の前田哲也教授,慶應義塾大学予防医療センターの三村將特任教授,愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学の伊賀淳一准教授,熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学講座の竹林実教授らの共同研究グループは,健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究:JPSC-AD 研究(※1)のデータを用いて,糖尿病(※2)診断の有無にかかわらず,高血糖の状態またはインスリン(※3)の分泌能が低下した状態は,記憶に関連する海馬(※4)亜領域の体積の減少と関連することを初めて明らかにしました。<br/> 本研究結果より,糖尿病と診断されていない人においても,高血糖やインスリン分泌能が低下した状態は記憶力などの認知機能の低下を引き起こす要因の一つとなるおそれがあり,血糖の状態を良好に保つこと,インスリン分泌を保持することが,海馬体積を保ち,認知機能低下を予防できる可能性が示唆されました。JPSC-AD 研究では 2016 年から 2018 年にベースライン調査を実施し,全国 8 地域で 11,410 名の調査を行いました。2021 年から 2023 年には,同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施し,新たな認知症の発症および認知機能の変化の調査を行いました。<br/> 今後,縦断解析を行うことで糖代謝異常がアルツハイマー病(※5)を引き起こす詳細なメカニズムを明らかにし,個々の認知症発症リスクに応じた予防?治療法の確立が期待されます。<br/> 本研究成果は2024 年9 月9 日に国際学術誌『NPJ Aging』のオンライン版に掲載されました。<br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> JPSC-AD 研究では 2021 年から 2023 年に同対象者について包括的認知症スクリーニング調査を実施しました。今後,縦断解析を行うことで,糖代謝異常と認知機能低下および認知症発症との関連についてより詳細を明らかにでき,糖尿病が認知症を引き起こすメカニズム解明の一助となることが期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p> <br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【用語解説】</p>&#13; <p>※1 JPSC-AD 研究<br/>JPSC-AD(Japan Prospective Studies Collaboration for Aging and Dementia)研究は,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の認知症研究開発事業として行っている,日本全国で1 万人を対象とした「健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究」(研究責任者:二宮 利治)です。これは,日本人の生活環境と体質に適した認知症やうつ病予防対策法を確立することを目的とした,全国で最大規模の認知症研究です。日本の8 地域(青森県弘前市,岩手県矢巾町,石川県中島町,東京都荒川区,島根県海士町,愛媛県中山町,福岡県久山町,熊本県荒尾市)において,高齢者を対象に,生活習慣調査や血液などの生体試料を提供いただき,認知症やうつ病,循環器疾患(脳卒中や虚血性心疾患)や寿命に関係する体質や生活習慣について分析しています。(ホームページ: https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/)<br/>※2 糖尿病<br/>血液中の糖(血糖)の筋肉や脂肪,肝臓への吸収を促すインスリンというホルモンが不足したり,働きが悪くなったりすることで,血糖が上昇する疾患です。原因としては,遺伝の他に,肥満,過食?過飲,運動不足と言われる生活習慣の乱れがあります。高血糖の状態が長期間持続すると,全身の血管が障害され,さまざまな合併症を引き起こします。<br/>※3 インスリン<br/>膵臓から分泌されるホルモンで,血糖の筋肉や脂肪,肝臓への吸収を促すことで,血糖を低下させる働きがあります。インスリンは神経系にも重要な役割を担っていると言われており,特に記憶や学習に関係している海馬においては,神経細胞死の抑制や,神経細胞の発生?自己再生の促進,アルツハイマー病で脳内に蓄積されるアミロイドという物質の脳内への蓄積の抑制,有害な物質からの神経細胞の保護をしていると考えられています。<br/>※4 海馬<br/>海馬は側頭葉の内側に存在する,記憶の形成に重要な役割を果たしている部位です。<br/>左右に1 つずつあり,小指ほどの大きさをしています。アルツハイマー病や血管障害や外傷,腫瘍,手術などで海馬が破壊されると,新しい情報を記憶することが難しくなります。<br/>※5 アルツハイマー病<br/>アルツハイマー病は,時間をかけて進行する脳の疾患で,記憶や思考する能力が徐々に障害され,やがて日常生活に支障を引き起こす認知症と呼ばれる状態に陥る病気です。<br/>アルツハイマー病の患者さんの脳内にはアミロイドという物質が溜まってできる老人斑という構造物や,異常な神経線維のもつれ(タウ蛋白が異常リン酸化して生じる神経原線維変化),神経細胞の消失といった変化が見られ,これらの変化が長い時間をかけ<br/>て進行し,海馬や大脳が萎縮していきます。<br/><br/><br/></p>&#13; <p/>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>雑誌名:NPJ Aging<br/>論文名:Glucose metabolism and smaller hippocampal volume in elderly people with normal<br/>cognitive function.<br/>(正常認知機能高齢者における糖代謝と海馬体積の減少)<br/>著者名:Ayano Shima, Moeko Noguchi-Shinohara, Shutaro Shibata, Yuta Usui, Yasuko Tatewaki,<br/>Benjamin Thyreau, Jun Hata, Tomoyuki Ohara, Takanori Honda, Yasuyuki Taki, Shigeyuki<br/>Nakaji, Tetsuya Maeda, Masaru Mimura, Kenji Nakashima, Jun-ichi Iga, Minoru Takebayashi ,<br/>Hisao Nishijo, Toshiharu Ninomiya, Kenjiro Ono<br/>(島綾乃,篠原もえ子,柴田修太朗,碓井雄大,舘脇康子,Benjamin Thyreau,秦淳,小<br/>原知之,本田貴紀,瀧靖之,中路重之,前田哲也,三村將,中島健二,伊賀淳一,竹林<br/>実,西条寿夫,二宮利治,小野賢二郎)<br/>掲載日:2024 年9 月9 日<br/>DOI:<a href="https://www.nature.com/articles/s41514-024-00164-2">10.1038/S41514-024-00164-2</a></p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240919.pdf">プレスリリース</a>(PDF1024KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3269<br/>e-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/19 10:00:00 GMT+9 ページ <妊娠中のフェノールばく露と子どもの喘息発症の関連>について_365体育网投 /whatsnew/seimei/20240913 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>妊娠中の母親から採取した尿検体から<span>24</span>種のフェノール類を測定した。</li>&#13; <li>尿中フェノール値と<span>4</span>歳までの喘息発症の関連を解析した。</li>&#13; <li>妊娠中のブチルパラベンの高度ばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆された。</li>&#13; <li>4-ノニルフェノールのばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆された。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【研究の概要】</p>&#13; <p> 南九州?沖縄ユニットセンター(熊本大学)の小田政子、倉岡将平の研究チームは、エコチル調査の<span>3,513</span>人のデータから妊娠中のフェノール類ばく露と子どもの喘息発症の関連について解析しました。その結果、フェノールの<span>1</span>種であるブチルパラベンの高度ばく露は子どもの喘息発症との関連が示唆されました。また、<span>4-</span>ノニルフェノールのばく露も男児の喘息発症との関連が示唆されました。この結果により、妊娠中のフェノールばく露について、より適切な指標が確立されることが期待されます。</p>&#13; <p> なお、今回の調査では妊娠中の母親から採取した尿検体からフェノール類を測定しており、子どものフェノール類濃度を測定していないといった限界があります。そのためフェノール類と喘息発症の関連を明らかにするためには更なる研究が必要です。</p>&#13; <p> 本研究の成果は、令和<span>6</span>年<span>8</span>月<span>23</span>日付で環境科学分野の学術誌「<span>Environmental Pollution</span>」に掲載されます。</p>&#13; <p>※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 妊娠中のフェノールばく露が子どもの健康にどのように影響するのか引き続き調査を継続していきます。ブチルパラベンや<span>4-</span>ノニルフェノールが喘息発症のリスクを高めるメカニズムの解明だけでなく、どのような環境や生活習慣がそれぞれのフェノールばく露につながるのかを明らかにすることで、妊娠中の過ごし方に関する適切な提言につながると考えられます。</p>&#13; <p> 本調査の継続により、子どもの発育や健康に影響を与える化学物質等の環境要因が明らかとなることが期待されます。</p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <p>題名(英語):Association of phenol exposure during pregnancy and asthma development in children: The Japan Environment and Children’s Study?<br/>著者名(英語):Shohei Kuraoka1,2, Masako Oda1, Takashi Ohba1,3, Hiroshi Mitsubuchi1,4, Kimitoshi Nakamura1,2, Takahiko Katoh1,5, and the Japan Environment and Children’s Study (JECS) Group6?<br/>1熊本大学大学院生命科学研究部附属 エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>2熊本大学大学院生命科学研究部 小児科学講座<br/>3熊本大学大学院生命科学研究部 産婦人科学講座<br/>4熊本大学病院 新生児科<br/>5熊本大学大学院生命科学研究部 公衆衛生学<br/>6グループ:コアセンター長、メディカルサポートセンター代表、各ユニットセンター長<br/><著者日本語表記>倉岡将平、小田政子、大場隆、三渕浩、中村公俊、加藤貴彦<br/>掲載誌:Environmental Pollution<br/>DOI: https://doi.org/10.1016/j.envpol.2024.124801<br/>※Shohei Kuraoka1,2については、熊本大学在籍当時の所属であり、現在、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院腎臓内科に留学中。</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240913.pdf">プレスリリース</a>(PDF526KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>エコチル調査南九州?沖縄ユニットセンター<br/>倉岡将平<br/>電話:096-373-5191<br/>e-mail:skuraoka※kuh.kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/13 14:00:00 GMT+9 ページ 2型糖尿病およびそれに伴う脂肪蓄積や線維化を改善する新たな治療薬候補の発見_365体育网投 /whatsnew/seimei/20240911 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>当研究室で抗線維化薬として開発されたHPH-15が、2型糖尿病の治療薬候補となることを発見しました。</li>&#13; <li>糖代謝に関与する臓器のモデル細胞を用いた実験より、HPH-15が糖代謝改善に重要な蛋白質AMPKを活性化する作用をもつことを明らかにしました。</li>&#13; <li>高脂肪食肥満モデルマウスを用いた実験より、HPH-15は血糖値抑制作用を示すこと、肝臓?脂肪組織において同効薬のメトホルミンよりも強い脂肪蓄積抑制作用および抗線維化作用をもつことを明らかにしました。</li>&#13; <li>HPH-15は、血糖値と脂肪の減少効果、さらに抗線維化作用を併せ持つ画期的な薬剤として展開されることが期待されます。<br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> AMPKは、肝臓?筋肉?脂肪組織にて細胞内のエネルギー不足を感知する蛋白質であり、カロリー制限や運動などによって活性化されます。そのため、AMPKの活性化は運動時と同じメカニズムによって糖を代謝し、膵臓への負担もないため2型糖尿病治療薬の創薬標的として有望です。<br/> 今回、熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)サイエンスファーム生体機能化学共同研究講座の立石大 客員准教授(平田機工株式会社 研究開発本部 遺伝資源研究開発部 研究開発グループ 主任)、博士後期課程3年の當眞嗣雅 大学院生、熊本大学病院糖尿病?代謝?内分泌内科の荒木栄一 名誉教授(菊池郡市医師会立病院 顧問、熊本保健科学大学 健康?スポーツ教育研究センター 特任教授)らの研究グループは、抗線維化<sup>*1</sup>薬として開発中である低分子化合物HPH-15が、AMPKの活性化を介した血糖降下作用に加えて脂質代謝改善作用を有していることを明らかにしました。脂肪蓄積は合併症のリスク因子であるため、脂肪と血糖値の減少効果を併せ持つHPH-15は画期的や薬剤になることが期待されます。<br/> 本研究成果は、令和6年9月9日に欧州の科学誌で糖尿病関係のトップジャーナルであるDiabetologiaにオンラインで発表されました。本研究は、日本学術振興会特別研究員事業、科学研究費助成事業、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究プログラム、肥後銀行イノベーション応援プログラム、次世代ベンチャー創出支援事業化可能性調査委託事業の支援を受けて実施されました。</p>&#13; <p><br/><em/></p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究により、HPH-15がAMPK活性化による血糖降下作用だけでなく脂肪蓄積および脂肪組織の肥大化を抑制することが明らかになりました。組織への過剰な脂肪蓄積は、糖尿病合併症のリスク因子であるため、脂肪と血糖値の減少効果を併せ持つHPH-15は新規2型糖尿病治療薬として有用であることが期待されます。また2型糖尿病患者では組織の線維化が促進されることが知られており、臓器不全といった重篤な症状を呈します。HPH-15は肝臓と脂肪組織に対する抗線維化作用も有する点でメトホルミンと異なり、糖尿病に伴う肝硬変やNAFLD/NASH*5をはじめとする肝合併症にも有用な薬剤として期待されます。</p>&#13; <p><br/>【用語解説】<br/>*1:線維化<br/> 皮膚や組織にコラーゲンなどの細胞外基質が過剰に沈着し、硬化する現象のことです。組織の線維化が進むと、組織が本来有している機能が損なわれてしまいます。<br/><br/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:An anti-fibrotic compound that ameliorates hyperglycaemia and fat accumulation in cell and HFD mouse models.</li>&#13; <li>著者:當眞嗣雅1、宮川展和2、新垣唯一1、渡邊拓郎2、中原涼晴1、 Taha F.S. Ali1,3、Tanima Biswas1、戸高幹夫4、近藤龍也2、藤田美歌子1、大塚雅巳1,5、荒木栄一2,6,7*、立石大1,8*(*Corresponding authors)<br/>1熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)サイエンスファーム生体機能化学共同研究講座、2熊本大学病院糖尿病?代謝?内分泌内科、3Minia大学薬学部医薬品化学講座、4とだか内科クリニック、5サイエンスファーム株式会社研究開発本部、6菊池郡市医師会立病院、7熊本保健科学大学健康?スポーツ教育研究センター、8Hirata Corporation, Research and Development Headquarters, Research and Development Department</li>&#13; <li>掲載誌:Diabetologia</li>&#13; <li>doi:<a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y">10.1007/s00125-024-06260-y</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y">https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-024-06260-y</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240911.pdf">プレスリリース</a>(PDF526KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; <p>熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)<br/>共同研究講座教員:藤田 美歌子<br/>電話:096-371-4622<br/>e-mail:mfujita※kumamoto-u.ac.jp</p>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/11 12:50:00 GMT+9 ページ 着床を促進するプロスタグランジン受容体の発見:着床促進剤としてDP/EP4作動薬の不妊治療への適用に期待_365体育网投 /whatsnew/seimei/20240910 <![CDATA[<p>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>プロスタグランジン(PG) <sup>*1</sup>は?全身の臓器で産生される一連の生理活性脂質であり?発熱や疼痛などの病態作用を発揮する一方で、分娩などの生殖プロセスに関わることが知られていました?</li>&#13; <li>子宮では、着床時に産生されるPGが、着床部位(IS)の肥大(脱落膜化)<sup>*2</sup>を起こすことが知られていましたが、その作用を伝達する受容体は不明でした。</li>&#13; <li>今回、マウスを用いた実験により、着床時の子宮では、PGE<sub>2</sub>に加えPGD<sub>2</sub>が産生され、それぞれEP4受容体とDP受容体に作用し?脱落膜化の促進因子として働くことを発見しました。したがって、着床の際にDPまたはEP4受容体いずれかを活性化すれば、脱落膜化を誘導できることを示しました?</li>&#13; <li>PGはヒトでも同様に働く可能性が高く?DP/EP4作動薬でPGの働きを強めれば?不妊の原因となる着床障害の改善に繋がることが期待されます?<br/><br/><em/></li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】</p>&#13; <p> 熊本大学大学院生命科学研究部 杉本幸彦教授?稲住知明助教らの研究グループは?東京大学大学院医学系研究科 廣田泰教授?藍川志津特任研究員?熊本大学生命資源研究?支援センター 竹尾透教授らとの共同研究により、着床刺激により子宮内膜で産生される生理活性脂質プロスタグランジン(PG)D<sub>2</sub>が?その受容体DPを介して脱落膜化を促進すること、本経路と並行してPGE<sub>2</sub>-EP4受容体経路も脱落膜化を促進すること、両経路を同時に遮断すると脱落膜化が障害されることを世界で初めて明らかにしました。本成果に基づき?DP受容体やEP4受容体の作動薬が、不妊治療、とくに子宮側の着床障害の改善に効果を発揮することが期待されます?<br/>なお、本件研究成果は、米国科学誌「Journal of Lipid Research」に令和6年8月30日(金)付で公開されました。?</p>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【成果】<br/> 本研究は?胚が子宮に接着(着床)して脱落膜化が起こる分子機構に関する新たな学術的理解を与えるとともに?命を育むために複数のPG受容体が互いに機能を補完して着床プロセスを実現していることを解明したものです?</p>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【展開】<br/> PG受容体はヒト子宮においても同様に機能している可能性が高く?DPやEP4の受容体作動薬でPGの働きを強めれば?不妊治療で問題となる着床不全の予防?治療に繋がることが期待されます?</p>&#13; <p/>&#13; <p/>&#13; <p><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【用語解説】<br/>※1 プロスタグランジン (Prostaglandin: PG) <br/>PGD<sub>2</sub>とPGE<sub>2</sub>は、シクロオキシゲナーゼ(COX)の働きで産生される代表的な生理活性脂質(図5)であり、前者は睡眠誘導やアレルギー応答、後者は発熱や疼痛、炎症惹起など多彩な生理作用を発揮する。<br/><br/>※2 脱落膜化<br/>子宮は、外側の筋層、内側の管腔上皮、その間を埋める間質で構成されている(図6)。胚が管腔上皮に接着し、着床が起こると、上皮が崩壊して胚を間質内へ取込むとともに、胚周囲の間質細胞が脱落膜細胞へ分化?増殖して胎盤の基礎を形成し、胚のベッドとして働く。 この現象は脱落膜化と呼ばれる。 <br/><em/></p>&#13; <p><br/><br/><br/><em/></p>&#13; <p>【論文情報】</p>&#13; <ul>&#13; <li>論文名:“Uterine prostaglandin DP receptor induced upon implantation contributes to decidualization together with EP4 receptor”</li>&#13; <li>著者:Risa Sakamoto, Takuji Fujiwara, Yuko Kawano, Shizu Aikawa, Tomoaki Inazumi, On Nakayama, Yukiko Kawasaki-Shirata, Miho Hashimoto-Iwasaki, Toshiko Sugimoto, Soken Tsuchiya, Satohiro Nakao, Toru Takeo, Yasushi Hirota, Yukihiko Sugimoto</li>&#13; <li>掲載誌:Journal of Lipid Research</li>&#13; <li>doi:<a href="https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext">10.1016/j.jlr.2024.100636</a></li>&#13; <li>URL:<a href="https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext">https://www.jlr.org/article/S0022-2275(24)00141-X/fulltext</a></li>&#13; </ul>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240910-3.pdf">プレスリリース</a>(PDF747KB)</p>&#13; <p/>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_03_ja_2.png/@@images/9ffb7138-bfaf-4665-a923-62edf9423d6d.png" title="sdg_icon_03_ja_2.png" alt="sdg_icon_03_ja_2.png" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <p/>&#13; <address>&#13; <p><strong> お問い合わせ</strong></p>&#13; 熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)<br/>担当:教授 杉本幸彦<br/>電話:096-371-4357<br/>E-mail:ysugi※kumamoto-u.ac.jp<br/>&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/10 14:34:00 GMT+9 ページ 水素結合集積化により 磁気スイッチング機能の活性化に成功! 役に立たない分子を役立つ分子へ_365体育网投 /whatsnew/sizen/20240909 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li style="text-align: justify;">コバルトイオンと鉄イオンからなる磁気スイッチング分子に着目</li>&#13; <li style="text-align: justify;">キラルなカルボン酸を用いた水素結合集積体が磁気スイッチング挙動を発現することを発見</li>&#13; <li style="text-align: justify;">外場応答性磁気スイッチング分子の新たな開発方法を提案</li>&#13; </ul>&#13; <p>【概要説明】 </p>&#13; <p> 熊本大学大学院自然科学教育部博士後期課程1年の福島 陸大学院生、同大学大学院先導機構の関根 良博准教授、同大学大学院先端科学研究部の速水 真也教授らの研究グループは、外場応答性を示さない金属錯体<sup>※1</sup>分子ユニットに対して、キラルなカルボン酸との共結晶化によって水素結合を新たに形成させることで、急峻で完全に磁気スイッチングON/OFF可能な分子集合体の開発に成功しました。分子ユニットは、コバルトイオン(Co<sup>2+</sup>)と鉄イオン(Fe<sup>3+</sup>)が有機分子で架橋された二核構造からなります。通常、異なる金属イオンからなる錯体分子において、分子の中で電子は移動することができません。本研究では、分子ユニットをキラルなカルボン酸によって集積化させることで開発した一次元鎖状集合体において、温度変化によってコバルトイオンと鉄イオンの間での分子内電子移動を示し、反磁性<sup>※2</sup>と常磁性<sup>※3</sup>を可逆に変換可能な磁気スイッチング挙動を示すことが分かりました。今回の研究成果によって、外部刺激応答性を示さない分子ユニットであっても、機能発現に適した集積化方法を適用することで磁気スイッチング挙動を示す分子開発が可能であることを明らかにしました。さらに、構成する有機配位子のわずかな違いにより、磁気スイッチング温度を制御可能であることが分かりました。本研究は、水素結合形成を介した分子内電子移動を創出するための新しい分子合成戦略を提示するものです。</p>&#13; <p> 本研究成果は令和6年7月22日にアメリカ化学会雑誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載され、雑誌の「Supplementary Cover Art」にも選出されました。なお、本研究は文部科学省科学研究費補助金、日本学術振興会 卓越研究員事業、熊本大学国際先端科学技術研究機構 若手研究者支援事業、物質?デバイス領域共同研究拠点 基盤共同研究、公益財団法人 住友財団などの支援を受けて行われました。</p>&#13; <p>【展開】</p>&#13; <p> 本研究成果から、急激で完全な磁気スイッチング挙動を達成するための新しい合成戦略を見出しました。この発見は、分子間相互作用と外場応答性電子移動挙動の相関を明らかにするものであり、水素結合集合法の重要性を強調するものです。クリスタルエンジニアリングの観点から外部刺激応答性分子ユニットに着目すると、水素結合は結晶格子の集積構造様式に影響を与えるだけでなく、分子の電子およびスピン状態変化にも大きく影響を与えることが分かりました。さらにこのことは、生体系と同様に、固体状態での水素結合形成が、電子供与体/受容体部位の酸化還元電位に影響を与え、それによって電子やイオンの移動、あるいは金属錯体中のイオンチャネルを制御する可能性があります。さらに、本研究で提案した戦略は、水素結合と電子移動の相関を示し、機能性分子の開発を系統的に促進することが期待されます。</p>&#13; <p/>&#13; <p><strong>(論文情報)</strong></p>&#13; <p>論文名:Assembling Smallest Prussian Blue Analogs Using Chiral Hydrogen Bond–Donating Unit Toward Complete Phase Transition<br/>著者:Riku Fukushima, Yoshihiro Sekine*, Zhongyue Zhang, Shinya Hayami*<br/>(*: equal correspondence)<br/>掲載誌:Journal of the American Chemical Society<br/>doi:10.1021/jacs.4c05065<br/>URL:https://doi.org/10.1021/jacs.4c05065</p>&#13; <p/>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240909.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/09 16:20:00 GMT+9 ページ 室町幕府滅亡約1年前の織田信長書状を発見 細川藤孝にすがる信長「あなただけが頼りです」_365体育网投 /whatsnew/zinbun/20240906 <![CDATA[<p>(ポイント)</p>&#13; <ul>&#13; <li>公益財団法人永青文庫(東京都文京区:以下「永青文庫」)には、細川藤孝(1534―1610)を初代とする大名肥後細川家に伝来した数多くの重宝が保管されています。なかでも、織田信長(1534―1582)の発給文書59通はとくに貴重なもので、すべてが国の重要文化財に指定されています。ひとところに伝来する数としては比類がなく、内容も重要なものが多いため、これまで多くの研究者に注目されてきました。</li>&#13; <li>?2022年、永青文庫と熊本大学永青文庫研究センターとの共同調査によって、永青文庫の収蔵庫から、60通目の信長発給文書が発見されました。慎重に検討を重ねたところ、信長が、いわゆる「室町幕府の滅亡」(将軍足利義昭(1537―1597)の京都没落)の前年にあたる元亀3年(1572)の8月15日に、藤孝に出した未知の書状であることがわかりました。</li>&#13; <li>本書状には、元亀4年(1573)7月における義昭の京都没落の背景に関わる貴重な情報が含まれています。信長が足利義昭とともに構築した幕府体制がわずか5年後に崩壊した主な要因が、義昭側近衆と信長との対立にあったこと。側近衆の中にあって細川藤孝ただ一人が信長と通じ、義昭挙兵の半年も前から畿内の領主層を信長方に組織する活動を続けていたこと、などです。幕府政治が混迷を極める中、まさに藤孝は、信長の京都における頼みの綱でした。</li>&#13; <li>義昭の側近中の側近として義昭と信長を結び付けた細川藤孝が、「室町幕府の滅亡」を実現させるキーマンともなったのです。新発見の信長書状によって、信長の権力のあり方を大きく左右した藤孝の存在がクローズアップされます。</li>&#13; </ul>&#13; <p><br/>【今後の展開】</p>&#13; <p> 信長が、「あなたの働きこそが重要なのです」と書き送っていたように、幕府政治が混迷の一途を辿った元亀年間(1570―1573)、信長の京都における頼みの綱は細川藤孝でした。信長と同じ1534年に幕府家臣の名門三淵家に生まれた藤孝は、13代将軍足利義輝の奉公衆として台頭し、義輝が暗殺されると、その弟の義昭の側近中の側近となり、義昭と信長を結び付けて正統幕府を再興するという大仕事をやってのけます。その藤孝が「室町幕府の滅亡」を実現させるキーマンともなったのです。信長と幕府権力のあり方を大きく左右した細川藤孝の畿内領主層との人脈、当該時期における彼の具体的活動や政治思想を究明することが、「本能寺の変」を含む織田政権期の政治史研究にとっての大きなテーマとなります。<br/>なお、本書状の原本は、東京都文京区目白台の永青文庫で2024年10月5日~12月1日に開催される秋季展「熊本大学永青文庫研究センター設立15周年記念「信長の手紙」」に出品されます。また、同展覧会に合わせて刊行予定の『永青文庫 織田信長文書の世界―珠玉の60通―』(勉誠社)に収録されます。</p>&#13; <p>【詳細】<a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240906.pdf">プレスリリース</a>(PDF921KB)<br/><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/> <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_11_ja_2.png/@@images/3e65ac63-a99f-499d-9d43-ef80aee0b58e.png" title="sdg_icon_11_ja_2.png" alt="sdg_icon_11_ja_2.png" class="image-inline"/>????</p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong>お問い合わせ</strong><br/>熊本大学永青文庫研究センター<br/>担当:(センター長、教授)稲葉 継陽<br/>電話:096-342-2304<br/>E-mail:inaba※kumamoto-u.ac.jp<br/>(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)</address>]]> No publisher 研究 2024/09/06 15:00:00 GMT+9 ページ 「孔」を持たない酸化グラフェンを用いた 水素イオンバリア膜の開発に成功 ?保護膜などへの応用展開が期待?_365体育网投 /whatsnew/sizen/20240904 <![CDATA[<p style="text-align: justify;"><span/>【ポイント】</p>&#13; <ul>&#13; <li>構造内に「孔」を持たない酸化グラフェンを合成し、薄膜化することに成功しました。</li>&#13; <li>「孔」を持たない酸化グラフェンは、水素イオンを通しにくい性質があることを突き止めました。</li>&#13; <li>水素イオンは、酸化グラフェンの「孔」を介して伝導していることを証明しました。</li>&#13; <li>「孔」を持たない酸化グラフェンをリチウム箔にコーティングすることでリチウム箔を水滴から守ることに成功しました。</li>&#13; </ul>&#13; <p>【本研究の内容】 </p>&#13; <p>?熊本大学産業ナノマテリアル研究所の畠山一翔助教と伊田進太郎教授らの研究グループは構造内に「孔」が無い酸化グラフェンを合成し薄膜化することで、水素イオンバリア膜の作製に成功しました。多機能なナノシートである酸化グラフェンは、溶液プロセスにより様々な物体の表面に薄膜を形成できることから、次世代のコーティング材料として期待されています。しかし、酸化グラフェンはイオンを高速に伝導する性質があり、イオンバリア膜としての使用は困難でした。本研究では、構造内に「孔」を持たない酸化グラフェンを合成し薄膜化することで、これまでの酸化グラフェンの常識を覆す水素イオンバリア膜の開発に成功しました。今回開発した酸化グラフェン膜は従来の膜と比較して最大10万倍の水素イオンバリア特性を示し、厚さ数100 nmのコーティングでリチウム箔を水滴から守ることに成功しました。また、本研究の結果から、水素イオンは酸化グラフェンの「孔」を介して移動していることを明確に示しました。</p>&#13; <p>?本研究成果は令和6年8月27日にWileyが発行する科学雑誌「Small」にオンライン掲載されました。</p>&#13; <p>【本研究の意義】</p>&#13; <p> 溶液プロセスにより薄膜が容易な<span>GO</span>は、様々な用途のコーティング材料として期待されています。本研究にて明らかにした水素イオンバリア特性は、これまで難しいとされてきた防錆や水素インフラに対しても<span>GO</span>膜が有効であることを示しています。今後は、水素イオンバリア性能を活かした応用展開を進めるのと同時に、<span>GO</span>の構造に存在する「孔」の存在で困難とされてきたその他の機能開拓にも力を入れて行く予定です。</p>&#13; <p><br/>【論文情報】</p>&#13; <p/>&#13; <p>論文名:Anomalous Proton Blocking Property of Pore-Free Graphene Oxide Membrane<br/>著者:Tatsuki Tsugawa, Kazuto Hatakeyama*, Michio Koinuma, Norihiro Moriyama, and Shintaro Ida*?<br/>掲載誌:Small<br/>doi:10.1002/smll.202400707<br/>URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.202400707</p>&#13; <p>【詳細】 <a href="/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2024-file-1/release240904-1.pdf">プレスリリース</a>(PDF1292KB)</p>&#13; <p><br/><br/></p>&#13; <p><img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/icon.png/@@images/39207fe2-5580-4840-9714-48e1fc6172fc.png" title="icon.png" alt="icon.png" class="image-inline"/>????  <img src="/daigakujouhou/katudou/SDGs/file/i/sdg_icon_09_ja_2.png/@@images/18ac5cdf-a729-4a68-b05f-2defc6e8fbe3.png" title="sdg_icon_09_ja_2.png" width="133" alt="sdg_icon_09_ja_2.png" height="127" class="image-inline"/></p>&#13; <p><a href="/daigakujouhou/katudou/SDGs/index"><熊本大学SDGs宣言></a></p>&#13; <address><strong> お問い合わせ </strong> <br/>熊本大学 総務部総務課広報戦略室<br/>電話:096-342-3271<br/>E-mail:sos-koho※jimu.kumamoto-u.ac.jp&#13; <p>(※を@に置き換えてください)</p>&#13; </address>]]> No publisher 研究 2024/09/04 14:00:00 GMT+9 ページ