新年のご挨拶

熊本大学長 崎元達郎 新年あけましておめでとうございます。

昨年秋の新首相就任以降、高等学校における必修科目未履修問題、いじめによる自殺、教育再生会議の始動、教育基本法の改定等、教育に関する話題にこと欠かない社会の動きの中で迎えた新年ですので、以前にも増して、教育や大学の重要性と責任を認識して取組むべき一年になると思われます。

国策として科学技術創造立国、人材立国を目指す中での教育や大学の重要性の認識に基づけば、国立大学法人の予算削減は日本の将来に及ぼす影響が甚大であるので、そのことを長期的に見据えた政策と予算投入がなされるべきであると考えます。

熊本大学も法人化後の厳しい財政状況と競争的環境の中でも、質の保証された国際水準の教育と世界をリードする学術研究、先端医療、高度地域医療、産学官連携等を通じた地域貢献を実施しており、地域に根ざしつつ、国際的にも存在感を示す大学として発展を遂げるべく全構成員の英知と創意を結集して努力しております。

昨年の実績のうち、主な事項のみ挙げますと、「教授システム学専攻(修士課程)」の設置、薬学部、工学部、自然科学研究科の改組、「臨床法学教育研究センター」の設置、教育に関する競争的資金(GP等)5件の獲得、「創薬研究センター」の設置、附属図書館南棟の整備、女性研究者支援モデル育成事業の採択、阿蘇火山博物館や芦北町との連携協定締結、「韓国フォーラム」の開催、「ユニバーシティミュージアム構想」の策定と実施、「阿蘇の文化遺産展」の開催、附属病院中央診療棟の竣工、「都道府県がん診療連携拠点病院」に認定、等があります。

今年の主な活動としては、以下のことが挙げられます。

教育においては、eラーニング推進機構と同推進室の設置による全学eラーニングコンテンツ開発の推進、医学部保健学科の大学院の設置、教職大学院の設置、人文社会科学系大学院の再編等に関する取組みを行う予定です。

研究においては、2つのCOEや他の国際的研究実績に基づく「グローバルCOE」の獲得が大きな課題でありますが、並行してバイオエレクトリクス研究、エイズを始めとする新興再興感染症研究、有明海生物環境研究、熊大マグネシウム合金研究、等々、大きなプロジェクト研究の発展と成果が期待されます。また、4月よりの助教等の新職制の導入に関連して、若手研究者の人材育成の仕組を検討する必要があります。

平成18年度補正予算または平成19年度の予算においては、附属病院東病棟の建設、附属学校を始めとする耐震補強等の施設整備費を要求しており、本学の発展を支える予算措置を期待しているところです。私共としては、平成20年度の法人暫定評価があることを念頭に、引き続き教育?研究?医療に力を注ぐべきと考えています。

年頭にあたり、2006年の輝かしい実績?成果を踏まえて、2007年が更なる充実?発展の年となるよう学内外の関係各位の御理解と御支援を心からお願い申し上げます。



熊本大学長
崎元達郎



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