オーストラリア?シドニー工科大学へ交換留学「夢があるなら、まずは一歩を踏み出して!」[茂田綾乃さん]
後期から念願の学部生。現在は研究室にも所属
自然もまちも美しいシドニーにある、シドニー工科大学(University of Technology Sydney:UTS)に交換留学生として留学を経験したのは、工学部の茂田綾乃さんです。留学期間は一年間で、特に留学期間の後期は同大の学部生として、理学部で、Environmental Chemistry、Introduction to MaterialsとScience Internshipの3教科を履修しました。「熊本大学では工学部所属ですが、UTS工学部の授業はほとんどが機械系だったため、熊本大学で学んでいる物質生命学に関連する理学部の授業を取りました」。講義以外にも、レクチャー、実験、チュートリアル、UPASS(選択)など、充実した履修内容。「Science Internshipでは研究室に所属し、教授のもとでプロジェクトに参加し研究しています。研究テーマはSynthesis of Organic Compounds。新しい有機化合物と材料の、合成および特性を調査しています。実践的な内容であり、帰国後の研究室配属にも役立つと思っています」。
そんな茂田さんですが、当初はUTSの学部生として留学するためのIELTS*基準点(オーバーオール6.5点、ライティング6.0点)のうち、ライティングの点数が不足。そのため留学期間の前期は、ALACコース(Australian Language and Culture Course)に在籍しました。「そこで、オーストラリアの文化や働く環境、メディアに関して勉強しました。ただ聞くだけの授業ではなく、お互いの意見を交換したり、発表したりしながらIELTSで必要とされるリスニング、リーディング、ライティングとスピーキングを強化。また、IELTSで一番点数を取るのが難しいとされているライティングを鍛えるために、学生が書いてきたエッセイを先生が添削し、そのエッセイをみんなで共有して、いいところや改善できるところを話し合う時間があり、自分の文章の改善にとても役立ちました」。そうして、前学期中にIELTSの基準点を突破。後学期から学部生として専門分野を学ぶことができました。
*IELTS(International English Language Testing System)とは IELTS は主にイギリス、カナダ、オーストラリアへの留学を希望する学生を対象とした英語運用能力テスト。熊本大学では、年に3回団体受験及び公開試験を実施している。
サークルには積極参加。休日はオーストラリアを満喫!
UTSには、日本の大学のサークルにあたるSocietyがたくさんあり、茂田さんは積極的に参加しているそう。「特に前期は友だちを増やそうと、少しでも興味があるものには飛び込んでいきました。現在はJASSという、日本に興味がある学生が参加するサークルやESACという、留学生や地元学生みんなが交流するサークル、スケートボードサークル、ボランティアサークル、そしてバドミントンサークルにも参加して体を動かしています」。
生活は、前学期中は大学近くのコンドミニアムでルームシェア。後期に入ってからは大学の寮に入りました。大学の寮は、世界中からの学生が集まっており、英語力のブラッシュアップにも役立っているそう。「居心地も良く、スポーツ大会などのイベントがたくさん開催されているので楽しく過ごしています」。週末は、シドニー観光。おしゃれなカフェやパブを開拓したり、マーケットでショッピングを楽しんだり、乗馬などのアクティビティにも参加するなど、留学生活を満喫。「長期休暇は、友人と旅行をしています。study vacationで一週間休みだった時は、前半はケアンズで観光、後半はサークルキャンプに参加して、みんなでご飯をつくったりビーチで過ごしたり、充実した時間を友人たちと共有できました」。
先輩の留学体験談が、背中を押してくれた
帰国後は、日本でボランティア活動にも参加したいと茂田さん。「7月の冬休み期間中に8泊9日のボランティア活動に参加したんです。大学のサークルが運営していて、とても刺激を受けました。人手が足りない田舎町で、ガーデニングを手伝ったり、ペンキ塗りをしたり、町の博物館を掃除したり、線路のトラックを組み立てたり。住んでいる人たちのうれしそうな顔を見た時、ボランティア活動のすばらしさと人々のあたたかさを実感しました」。
夢を確実に実現し、すばらしい毎日を過ごす茂田さんですが、留学前は、一度留学をあきらめかけたことも。「高校生の頃から漠然と留学したいと思っていたのですが、大学に入学しても何も行動できずにいました。特に私は工学部だったので、ただでさえ難しい専門を、わざわざ英語で学ぶ人は少ないと聞いたんです」。そんな時、私費によるカナダ留学を終えた先輩が帰国。留学生活を生き生きと語る姿が、とてもかっこよく見えたそう。「私もそんな留学を経験したいと思いました。先輩の姿が、あと一歩を踏み出せずにいた私の背中を押してくれた気がします」。こうして、茂田さんは、見事1年間の交換留学を実現させました。
そんな茂田さんだからこそ、「留学をしたいと思っている人、少しでも興味がある人は、留学した人に話を聞いてみて」とアドバイス。大学の国際課に行く、そんな行動を起こすだけで夢は近づくと話します。「思っているだけでは留学できないし、ほんのちょっとのきっかけで私みたいに留学を決められるかも。留学すれば、環境はもちろん、友だち、一日の過ごし方など何もかもが変わります。だからこそ一回りも二回りも成長するいい機会であり、新しい世界を自分の目で見て体験するのはすごくおもしろいです。人生が今まで以上に豊かになった気持ちになります。社会人になればなかなかできない経験なので、大学生のうちにぜひ挑戦してみてください!」
(2019年3月5日掲載)