夢のネイティブアメリカンの研究を実現!留学で学んだことを将来に活かしたい[杉本空駿(たかとし)さん]
就職活動の時期に留学を決意!語学の勉強、奨学金の申請に一苦労!
熊本大学には、大学の学生交流協定校へ約半年~1年間留学する交換留学制度があります。今回は、アメリカのモンタナ州立大学へ約10カ月間の交換留学へ行った、文学部4年の杉本空駿さんにお話を伺いました。高校時代、世界史の先生に影響を受けて、少数民族に興味を持った杉本さん。特にネイティブアメリカンについて、もっと深く勉強をしたいと熊本大学へ入学し、文化人類学研究室に入ります。一方で、長期留学に挑戦してみたいという思いも高校生のころから漠然とあったそうです。「最初は研究のために留学したいわけではありませんでした。ただ、3年生の春、周りが就職活動やインターンシップの話をしている時期も、僕は留学のことを考えていて、家族や友達、研究室の先生に相談をしたんです。その中で、留学先で研究を続けるという方法もある、と先生に教えていただきました。たくさん悩みましたが、最後に決めるのは自分だから、と留学を決心しました」。3年生の夏が始まるころのことでした 。
それからは急いで留学の準備!大学での交換留学の手続きとIELTS(※1)の勉強、「トビタテ!留学ジャパン」(※2)の奨学金の申請をほぼ同時進行で進めたそうです。「周りの友達がインターンシップの最中に、僕はIELTSの勉強。友人と共通の話題も少なくなり、勉強へのモチベーションを保つのが難しかったです。奨学金は、申請から採択が決まるまで半年以上時間がかかり、早めの準備が必要だったと実感しました」。
※1IELTS…英語検定の1つで、留学やビザ申請の際に一定以上のスコアが必要となる。
※2トビタテ!留学ジャパン…文部科学省が官民協働で取り組む海外留学支援制度。
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ネイティブアメリカンへインタビューを実施!
晴れて2018年8月に渡米。前半の半年間は、大学の授業でネイティブアメリカンについて基礎知識を固めました。「事前に英語は勉強していきましたが、最初の2~3カ月は、英語を聞き取ることで精一杯でした。要点を押さえて、自分の意見を主張すると理解が深まっていくことに気がつくと、楽に聞いたり話したりできるようになりました」と杉本さんは振り返ります。前期は座学の講義を履修していましたが、後期はディスカッションを行う講義を履修し、他の留学生たちと議論を深めたそうです。「自分の興味?関心に基づいた授業も受けました。カメラが好きなので、自分で撮影してきた写真を題材に議論し合う授業が楽しかったですね」。そして、大学でネイティブアメリカンの血が入っている学生と出会い、彼の親戚が住む居留地で残りの半年間調査を行いました。この調査結果をこれから卒業論文にまとめていくそうです。
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本場のスポーツを堪能!留学中の学びを将来に生かしたい
留学中は寮生活と一人暮らしの両方を体験した杉本さん。食事は、寮では食堂でとり、一人暮らしを始めてからは自炊をしていたそうです。「両方体験できてよかったです。やはり日本食が美味しいのは間違いないですが、アメリカは肉と野菜が美味しかったですね。じゃがいもは7kg200円くらいで売ってあったので、よく買って料理していました」。また、留学中はスポーツも楽しんだといいます。モンタナ州は自然あふれる地域で、スキーにスノーボード、ハイキング、川釣り、狩猟も楽しんだそうです。その中で特に夢中になったのが、ボルダリングと大学スポーツ観戦。「大学構内にボルダリングの施設があったので、やってみたら、見事にハマりました。専用のシューズも買って、今でも続けています」。大学スポーツ観戦については、「毎月1回、週末にアメフトやバスケの試合がありました。その日はお店も早く閉まって、地域のみんなが試合を見に来て、盛り上がりました。今でも自分の大学や強豪チームの様子をニュースで追いかけてます」と熱く語ります。
留学中は多種多様な意見を取り入れようと、様々な背景を持つ人々と積極的に関わったという杉本さん。「孤独感を感じることはありましたが、学びも多かったです。この学び、特に人との関係構築力というのは、仕事だけでなく、自分の将来に生きてくると思っています」。将来は、趣味のカメラが生かせる報道カメラマンになりたいそうです。
最後に自身の留学を振り返り「心身共に鍛えた、修行の10カ月だった」と締めくくりました。
(2019年10月21日掲載)