初心者からスタート!空からの美しい景色が魅力[航空部]
グライダーに実際に乗って操縦!
熊本市西区の白川河川敷の一角を訪れると、白や赤のグライダーが見えてきました。熊本大学体育会航空部の活動場所は、この白川滑空場。グライダー専用の離着陸場です。グライダーとは動力を持たず滑空のみが可能な航空機のことです。グライダーが飛ぶのは、凧揚げと同じ原理。機体に取り付けた金属や化学繊維製のロープを、ウインチで最高時速100㎞という高速で巻き取り、離陸させます。離陸後は高度500mぐらいまで上昇します。上昇後は、教官と一緒に部員が実際に搭乗し操縦訓練を行います。航空部は現在部員が12名。九州大学、九州工業大学など九州内の大学と合同で月に1、2回ほど合宿を行ったり、学内のミーティングで航空力学や気象学、無線などの必要な知識について学んだりしています。部員はグライダーに関して初心者ばかり。主将の熊部賢志さんも「大学入学をきっかけに新しいことに挑戦しようと思っていました。1年生のときに体験搭乗に行って入部を決意。航空力学なども学ぶので理系のイメージがあるかもしれませんが、文系のメンバーもいます」と話してくれました。
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美しい景色が魅力!安全意識の大切さも
部員はみんな初心者からスタート。教官や先輩たちから丁寧な指導を受け飛行訓練や座学に取り組み、早い人で2年生から実際に飛び始めるそうです。大空を飛んでみて「世界が変わる!」と感動した人も少なくありません。熊部さんに航空部の魅力について伺ってみると、「やはり景色の美しさだと思います。冬は白川滑空場で訓練をしていますが、夏は久住滑空場で行っています。久住はとても自然が豊かなので、空から眺める景色は格別です」と笑顔で語ってくれました。一方で、グライダーは危険を伴うスポーツという一面もあります。そのため、安全についての指導も徹底しています。「主将になってから約10カ月経ちましたが、苦労も多いです。普通のスポーツではあまり考えないことなのかもしませんが、この競技は命の危険を伴います。安全意識についてしっかりと後輩たちに教えていくことは、責任も大きく大変だと感じます」。訓練中は、搭乗する人と地上にいる人の双方が指差しや大きな声で安全確認を行っていました。メンバーの中に強く安全を守る意識が根付いていると感じました。
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インカレでの上位入賞を目指して
航空部の目標は、ライセンスを取得すること。ライセンスを取得するまでに、教官と学生が一緒に搭乗する2人乗りと、ある程度の経験と技術を積んで1人で搭乗し操縦するソロフライトで練習を重ねます。その後、学科と技術の試験を合格すると、自家用操縦士のライセンスが取得できるそうです。また、高度やスピード、飛行時間などでグライダーの操縦技術などを競う大会にも参加しています。インカレもその一つ。「チームで上位入賞を目指して頑張っていきたいと思います」と語る熊部さん。今年11月に行われた九州大会では、チェックポイントをいかに速く回ってこられるかを競う周回競技で団体2位、個人3位という優秀な戦績を収めました。今後の航空部の活動?戦績に注目です。
(2020年2月7日掲載)