菊池哲平研究室(教育学部)
研究室では、大学生?院生?専攻科を合わせて20人で構成。
ゼミでは幅広い年齢層の学生たちが意見交換する
菊池哲平研究室
【教育学部】特別支援教育学科
発達障がいを心理学的側面から研究。発達障がいの診断基準や、さまざまなセラピーの理論的背景などを教育している。また、学生と共に小?中学校でボランティア活動を行ったり、さまざまな発達障がいを抱える人たちやその保護者、教員などに対して、講演活動を行うなど精力的に活動している。
障がいを持つ人たちへの理解を深めることで、効果的な支援?アプローチ法を学んでいます。
座学と実践で、教育者として総合的な力を身に着ける!
肢体不自由や知的障がいなど、特別支援教育を必要とする人たちへの理解と支援法について学ぶ「特別支援教育学科」。中でも菊池哲平研究室では、自閉症やアスペルガー症候群など、発達障がいに関する研究を行っています。“コミュニケーションの難しさ”という問題を抱える発達障がいの子どもたち。症状に個人差もあることから、教育?対処法などのマニュアルが確立されていないのが現状です。「教育者を目指す学生が、座学で発達障がいへの理解を深めるだけでなく、子どもたちと直接触れ合うボランティア活動を通じて、実践的な力を身に着けることに力を入れています」と菊池先生は語ります。
身近に発達障がいの子どもがいたことから、この分野の研究に飛び込んだという菊池先生。「成長の“偏り”は個性の一つ。彼らから学ぶこともたくさんありますね」 | 認知評価システム「DN-CAS」を使って、子どもの認知処理過程を測定し、支援に役立てている |
さまざまな立場の学生が、フランクに意見交換!
“菊池研”では、教員を目指す13人の学部生の他、専攻科や院生を含めた総勢20人が、毎週木曜の午後5時からディスカッションを重ねています。「ゼミには、学生だけでなく現役の教員も在籍していますので、さまざまな視点に接する絶好の場。素朴な雑談の中から、研究テーマが見つかることも多いので、社会で話題になっているさまざまなトピックをフランクに語り合えるような雰囲気を大切にしています」と菊池先生。4年生の続 悠未さんは「ディスカッションは、6時間に及ぶことも。仲問たちの視点に触れることは、研究の参考になりますね」。また、小学校教諭で、4月から研究室で学ぶ中石ひさ子さんは「今まで現場でやってきた実践に、理論的な裏付けがあることを実感します。現場に生かしていきたいですね」と語ります。
毎年恒例の阿蘇旅行。「時には、勉強のことを忘れて、楽しむことも大事」と菊池先生 |
子どものケアだけでなく、環境調整を図れる教育者に
菊池先生は「発達障がいは、周りにいる人の接し方によって、本人の“生きにくさ”をかなり軽減することができます。障がいを持つ子どものケアだけでなく、保護者や教員など、周りの人たちの障がいへの理解を促し、環境調整を図れるような教育者を目指してほしいですね」と学生に工ールを送ります。
「KIKUCHl lab.」のロゴが入ったポロシャツ。学校などでのボランティア活動の際に着用 | 講義やや演習だけでなく、実際にさまざまな障がいのある子どもたちへの臨床活動を学生と共に行っている。写真は動作法による自閉症児へのアプローチをしている様子 |
(熊大通信45号(2012 SUMMER)7月1日発行)
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