日本人糖尿病患者における低用量アスピリン療法の癌抑制効果について発表
【概要説明】
糖尿病は心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患だけでなく各種の癌を増加させることが報告されています。低用量アスピリン療法は従来心血管疾患予防のために使用されてきましたが,最近では大腸癌などの予防効果についても注目されています。
奈良県立医科大学 斎藤能彦教授らの研究グループは,糖尿病患者において低用量アスピリン療法が発癌抑制効果を有しているかを検証するために,日本人2型糖尿病患者2,536名を対象としたJPAD2研究を用いた解析を行いました。10年間の追跡調査の結果,低用量アスピリン療法は癌の発症を減らしませんでしたが,65歳未満に限定した対象者において癌の発症が少なくなる可能性を示しました。この内容は米国糖尿病学会誌「Diabetes Care」に掲載が予定*されています。
*掲載予定日時は日本時間2018年6月17日午前3時になります
【論文】
掲載誌: Diabetes Care誌
論文タイトル:Effect of Aspirin on Cancer Chemoprevention in Japanese Patients With Type 2 Diabetes: 10-year Observational Follow-up of a Randomized Controlled Trial
(日本人2型糖尿病患者における低用量アスピリン療法の癌抑制効果:無作為比較対照試験の10年追跡調査から)
論文著者:岡田定規1,2,森本剛3,小川久雄4,作間未織3,松本知沙3,副島弘文5,中山雅文6,土肥直文7,陣内秀昭8,脇昌子9,桝田出10,斎藤能彦2
著者所属:
1: 奈良県立医科大学 糖尿病学講座
2: 奈良県立医科大学 循環器内科学
3: 兵庫医科大学 臨床疫学
4: 国立循環器病研究センター
5: 熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学 / 同 保健センター
6: 中山内科?循環器内科クリニック
7: 奈良県西和医療センター 循環器内科
8: 陣内病院糖尿病センター
9: 静岡市立静岡病院 内分泌?代謝内科
?10: 武田病院 健診センター
【詳細】
プレスリリース本文(PDF 438KB)
奈良県立医科大学 循環器内科学 教授
斎藤 能彦
Tel:? 0744-22-3051
E-mail: yssaito※naramed-u.ac.jp
(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)
奈良県立医科大学 糖尿病学講座 助教
岡田 定規
E-mail: saokada※naramed-u.ac.jp
(迷惑メール対策のため@を※に置き換えております)
兵庫医科大学 臨床疫学 教授
森本 剛
熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学 / 同 保健センター 准教授
副島 弘文
国立循環器病研究センター 理事長
小川 久雄