“魂”の対話で共に心を開放しよう!

Webマガジン熊大なう。

Djembe-KAN(ジャンベガン)

ジャンベは“魂”の音色

部長の大曲さん。 夕暮れのキャンパスに、熱く波打つ鼓動のようにアフリカの民族楽器“ジャンベ”が鳴り響きます。その音色を奏でるのは、熊本大学公認サークル「Djembe-KAN」です。現在、留学生4名を含む26人が所属する「Djembe-KAN」は、結成15年。1999年に開催された「くまもと未来国体」のアトラクションで、ジャンベを披露した学生らによって結成されました。
「ジャンベとは、木をくり抜いた胴体にヤギの皮を張った西アフリカの伝統打楽器で、現地では、祝い事や豊作を願う神事などで使われる“魂”の楽器なんです。歌やアフリカンダンスと一緒に体全体を使って“魂”を表現できるのがジャンベの魅力。経験者も未経験者も、国籍も関係なく、みんなで感じるままにたたいたり、リズムに合わせて体を動かせば、誰もが瞬く間に心が通じ合う。まるで魔法みたいな楽器ですよ!」と語るのは部長の文学部3年?大曲孝宗さん。今や国境?文化?人種を超えて、さまざまな国で愛されるジャンベに魅せられた一人です。
世界的ジャンベ奏者のママディ?ケイタさんによって名付けられた「Djembe-KAN」は、直訳すると“ジャンベの音”。“ジャンベの魂”を表現するという意味が込められています。サークル名を通して、“ジャンベの神様”が「魂の感じるままにジャンベを楽しむんだよ」と、いつも語りかけてくれるようだと部員たちは誇らしく胸を張る一方で、この名誉あるサークルを次の世代につなげていく大きな使命も担っています。「これからは自主催行ライブなどを積極的に行い、ジャンベを楽しむ仲間たちも増やしていきたいですね」と大曲さん。“若い力”と“パワフルな演奏”で、さらに多くの人々にジャンベの魅力を伝えようと、次のステップへ踏み出します。

ジャンベが生む新たな自分との出会い

image_03.jpg ジャンベで披露する曲やダンスにはそれぞれ意味が込められており、その思いと自分自身の感情が一体となったときにしか響かない音があるといいます。体の奥深くまで響く低音から、スカッと空に抜けるような高音まで、多彩な音の出るジャンベを、感情が喜ぶままに演奏することで、聞く人の心の真ん中に届く音を奏でることができるのです。
image_03-2.jpg 「青空の下で感情の赴くままに、気持ちよさそうにジャンベを演奏する先輩たちの姿を目の当たりにして、自分もこんなふうに表現してみたい!」と入部を決めたという副部長の文学部3年?須藤聡美さん。「ジャンベの音に包まれている時は、自分自身を全て解放できるんです。それぞれの曲に込められた思いに共鳴できると、まるで自分の感情そのままに体が動きだし、小さな悩みなんかどっかへ飛んで行ってしまいます。考え方自体も、とてもポジティブになれますね。ジャンベは、踊りも歌も苦手な私に自信を与えてくれました」。須藤さんのように多くの部員もジャンベと出合い、「新しい自分に出会った感じ」、「度胸がついて、明るく前向きになった」と自分の内面の変化を感じています。
「Djembe-KAN」が最も大切にしているのが、地域のお祭りや保育園?小学校?ジャンベ大会などのイベント出演。「一人でも多くの人に本物の音色に触れてもらい、言葉では伝えきれない“魂の喜び”をパフォーマンスから感じてもらいたいです。場所やお客さんの数は関係ありません。ジャンベをたたく時は、いつも一瞬一瞬全力ですよ」と熱く語る須藤さん。“魂の喜び”を届ける彼らのパフォーマンスは、いつしか聴衆全体を巻き込んで、会場はジャンベのリズムに身を任せる人々で溢れていきます。

パフォーマンスから生まれる“対話”

image_04.jpg ジャンベの魅力の一つは、「言葉を必要としないコミュニケーションの手段」という大曲さん。パフォーマンス中は、アイコンタクトや笑顔を交えながら、全員で作り出す音を通して“対話”しているそう。「パフォーマンスに応えてくださる観客の方々とも言葉では表現できない“対話”ができるんですよ。ジャンベを見るのが初めてだったり、迫力に驚いて反応がない時も、部員全員で楽しみながら一つの音楽を作り上げていくと、だんだんと皆さんも笑顔になって、手拍子が起こり始めるんです。演者の楽しさが波及して徐々に会場が一体になっていくのを体感できる瞬間が、ジャンベの醍醐味ですね」。
楽譜のないジャンベで、観客やメンバーと思いをつなぐには、目標とするプロの演奏や先輩のパフォーマンスからシグナルと呼ばれる合図やリズムの技を盗み、自分のモノにしていくしかありません。須藤さんは、「楽器隊とアイコンタクトをとってアドリブを加えたり、シグナルを感じて演奏とダンスの息がぴったりはまる瞬間は“つながった!”という感覚があって、すごく気持ちいいんです!」と語ります。
時には会場の雰囲気に飲み込まれそうになったり、なかなか反応がなく心が折れそうになる時もあるといいます。しかし、その恐怖心を乗り越えて、魂の開放感と爽快感を感じるたびに、彼らの表現力はさらに磨かれていくのです。
会場全体と“対話”のできる演奏を目指しながら、今後もくまもとのジャンベシーンに若くパワフルな熱い風を巻き起こしていきたいと、「Djembe-KAN」は今日も“魂”の音を打ちならします!

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(2013年8月20日掲載)

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