令和2年度の主な取り組み
国際化関連
COIL(Collaborative Online International Learning)による国際交流学習 |
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熊本大学では、例年実施している本学グローバルリーダーコース生と米国のニューヨーク市立大学スタテンアイランド校とのCOILに加え、令和2年度、Multidisciplinary Studies科目を履修する本学学生とインドネシアのスラバヤ工科大学との間でもCOILを開始した。バイオマスの有効利用をテーマに開講したこのCOILにおいては、タイ、フィリピン、マレーシア、スペイン、オーストラリアの本学協定校の教授陣も含めたチームティーチングによるグローバルかつ多角的な講義に加えて、協働でディスカッション、交流活動を行うことにより、学生の異文化理解やコミュニケーションスキルの向上、ネットワークの拡大に繋がった。 |
日本語講座 |
熊本大学日本語講座は、本学の留学生、外国人教員や研究員とその配偶者を対象に、日本で生活するうえで必要な日本語の基礎を教えることを目的として平成29年度から実施している。新型コロナウイルス感染症の影響下にあった令和2年度においても、一部遠隔授業を取り入れることにより、継続して講座を開講した。遠隔での開催においても、アットホームな雰囲気の中、ひらがなやカタカナ、基礎文法を学び、地域との交流の際に必要な日本語及び日常生活に必要な日本文化や習慣について講義を行った。黒髪キャンパスでは全6回の開講で、計25名が参加。本荘キャンパスでは全2回の開講で、計17名が参加した。 |
オンラインツールを活用した広報活動 |
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国立六大学連携コンソーシアム国際連携機構(国立六大学)のネットワークを通じた、ASEAN諸国(ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア等)への広報活動のほか、中央アジア、米国、南米及びアフリカ諸国といった全世界の学生?社会人を対象にしたオンライン留学フェアへ参加した。フェアでは、本学に在籍している留学生が、熊本大学及び熊本市での生活や経験談を共有した。また、英語版ホームページを改修し、留学生インタビューや研究者による研究紹介に関する動画の掲載を行うなど、コンテンツの充実化をはかった。オンラインツール等を積極的に活用することで、コロナ禍においても、本学への留学希望者に対して継続的な情報発信を行った。 |
ガバナンス改革関連
国際人文社会科学研究センター設置 |
令和2年4月1日、熊本大学は大学院人文社会科学研究部附属国際人文社会科学研究センターを設置した。本センターは、熊本大学における人文社会科学の研究機能強化と研究成果の国際的な発信を行うことによって、本学の人文社会科学研究の国際的認知度の向上及び地域?社会貢献の推進を図ることを目的として設立されたもので、水俣病にまつわる研究等、地域を起点としつつも国際的発信にふさわしい研究プロジェクトを推進する。本センターは、熊本大学の国際的な研究力向上を目的とした組織として、国際先端科学技術研究機構、国際先端医学研究機構に続き設立された。今後は、この3組織を軸として国際通用性の高い研究?教育の推進に取り組んでいく。 |
エーゲ大学(トルコ)との学長懇談会 |
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(学長懇談会の様子) |
令和2年6月9日、熊本大学とエーゲ大学との大学間交流協定締結20周年を記念して、オンラインでの学長懇談会を実施した。エーゲ大学はトルコ?イズミールに位置する国立大学で本学と2000年に大学間協定を締結して以来、共同研究や人物交流を活発に展開している。エーゲ大学からは学長?副学長?工学部長ら7名が参加し、熊本大学からも学長?副学長をはじめエーゲ大学とゆかりのある教員が参加し、今後の交流計画について意見交換がなされた。この学長懇談会を機に益々の交流促進が期待される。 |
教育改革関連
GLC入学前教育 |
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(入学前セミナーの様子) |
グローバルリーダーコース(GLC)においては、入試に合格した入学予定者を対象に、「Pre-GOKOH School Program(入学前セミナー)」を実施している。令和2年度は新型コロナウイルスの影響により、完全オンラインでの実施となったが、英語による演習や各学部でのガイダンス?講義等を行い、スムーズな高大接続に寄与した。また令和2年度より、入学後の単位修得の負担を軽減し、海外渡航などを積極的に後押しすることを狙い、入学前教育の単位化制度をスタートした。入学前セミナー期間中の学修成績に応じ、入学後に教養教育科目を履修したとして1単位を認定した。 |
大学独自の成果指標と達成目標
熊大グローバルYouthキャンパス |
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(オンラインによるサマーフェスタ) |
オープンキャンパスの一環として例年実施している「サマーフェスタ」を令和2年度はオンラインで実施し、バーチャルツアーの配信やZoomを利用した留学体験発表、現役のグローバルリーダーコース生との対談を実施した。また、「高校生のためのグローバルリーダー育成教育プログラム(肥後時修館)」を実施し、将来のグローバルリーダーを目指す県内の高校生34名にオンデマンド及びオンラインによる特別授業やスクーリング等を実施した。さらに、高専との連携強化を図り、熊本高等専門学校2年生120名に対し、オンラインによる英語での講義を行う等、地域の早期グローバル教育に貢献している。 |
教育のグローバル化と地域への波及を目指したFD研修 |
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(FD研修の様子) |
令和3年3月9日、新型コロナウイルス感染症の影響で国際的な移動が制限されるなか、新たな国際協働教育のあり方について広く事例を共有することを目的に、グローバル教育の推進に係るFD研修を実施した。本研修では、COIL(Collaborative Online International Learning)について、すでに本学でCOIL型授業を実践している2名の教員を講師に迎え、概要の紹介や実施上の留意点について事例を交えての紹介が行われた。また、一般社団法人大学コンソーシアム熊本に加盟する県内他大学からも研修への参加者を募ることで、地域へのグローバル教育の波及にも貢献した。 |
大学の特性を踏まえた特徴ある取組
海外オフィスにおける国際交流の発展 |
(タンザニアオフィス) |
熊本大学インドネシアITSオフィスは、平成22年4月の設置以降、熊本大学とインドネシアにおける学生及び学術交流、国際連携活動を促進してきた。令和2年4月より、国立六大学ないしは日本とインドネシアの交流を一層促進していくことを目的として、国立六大学スラバヤ事務所として共同利用を開始した。令和2年12月に、共同利用開始を記念する上掲式を行うとともに、インドネシアの学生に向けて、国立六大学の各大学紹介を実施した。教職員からの大学紹介に加え、在籍する学生や同窓生からも留学経験談を共有した。イベントには、250名以上の学生が参加し、終了後のアンケート結果によると、参加者の満足度は高く、日本留学への関心がより高まったとの声が多く寄せられた。また、令和2年10月には、タンザニア及びサブサハラアフリカ地域における共同研究拠点の位置づけとして、タンザニアオフィスを新規設置した。海外オフィスの国立六大学共同利用の開始?新規設置等をとおして、留学生に関する業務及び学術?教育交流の推進をはかる連携体制を構築した。 |