歩行能力が高い高齢者は記憶力が優れる―熊本大のチームが発見

熊本大学文学部認知心理学研究室では、認知症や下半身の運動障害のない健常高齢者において、速く歩ける人ほど記憶力が優れることを視覚的ワーキングメモリという記憶に関して明らかにした。大学院社会文化科学研究科博士後期課程1年の川越敏和と文学部 積山薫教授が高齢者の運動能力と認知機能との関係を調べる研究を実施し明らかにした。

今回の研究において、ワーキングメモリ成績と運動能力との強い相関は、手先の器用さでは見られず歩行に限られていた。このことから、早足での歩行ができる運動能力を維持することで、認知症に関連するような認知機能低下を抑制できる可能性が考えられる。この結果は、ドイツの脳科学雑誌Experimental Brain Researchのオンライン版に3月16日に掲載された。

語句説明
ワーキングメモリ(作動記憶、作業記憶):目的を果たすまでの間だけ覚えておかなければならない、一時的な記憶の働き。

詳細: プレスリリース本文 (PDF 270KB)

【研究内容に関する問い合わせ先】
熊本大学 文学部総合人間学科
担当:教授 積山 薫
電話:096-342-2845
e-mail:sekiyama※kumamoto-u.ac.jp
(※を@に置き換えてください)