岡田行雄教授 編著『患者と医療従事者の権利保障に基づく医療制度』が出版されました
熊本大学大学院人文社会科学研究部 岡田行雄教授による編著『患者と医療従事者の権利保障に基づく医療制度』が、令和3年3月26日に(株)現代人文社より出版されました。
本書は、新型コロナウイルス禍によって炙り出された我が国の医療制度の脆弱性を指摘し、現在立法化に向けて動きがある「医療基本法」の理念である医療関係者の権利保証を中核とする「あるべき医療制度」を提案するものです。
本書の執筆には、岡田教授のほか、熊本大学熊本創生推進機構 岡本洋一准教授、佐賀大学経済学部 内山真由美准教授、大阪経済法科大学法学部 大場史朗准教授、久留米大学法学部 森尾亮教授、大薮志保子准教授、山口大学経済学部 櫻庭総准教授らが参加しました。
このうち、岡田教授は序章?第8章?終章を担当し、コロナ禍を通して、患者や医療従事者の人権がそもそも保障されてきたのかが問われるべきであり、地方に端を発する医療崩壊、そしてこのコロナ禍自体も患者と医療従事者の人権保障に基づく医療制度の構築によって克服されるべきことを指摘しています。
また、岡本准教授は第2章において、「濃厚接触者」概念を手掛かりに日本の医事法を成り立たせているハードローとソフトローとの関係を検討し、それらの制定のあり方や医療従事者が規範にいかに向き合うべきかなどを提示しています。
岡田教授は、はしがきにおいて、「本書が、COVID-19の患者やそのご家族のみならず、コロナ禍に苦しむ様々な方々、わけても医療従事者やそのご家族に希望の光をもたらすものとなれば、編者として、これに勝る喜びはない。」と述べています。
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[目次]
はしがき
Prologue 新型コロナウイルス禍で露呈した患者の人権なき医療の脆弱性(岡田行雄)
Chapter.1 日本におけるこれまでの感染症対策(内山真由美)
Chapter.2 新型コロナウイルス禍におけるルールのあり方――「濃厚接触者」を例にして(岡本洋一)
Chapter.3 新型コロナウイルス禍からみる「医療を受ける権利」(大場史朗)
Chapter.4 新型コロナウイルス禍に考える精神科医療のあり方(内山真由美)
Chapter.5 新型コロナウイルス禍で顕在化した医療費抑制政策の問題点と医師の労働問題(櫻庭総)
Chapter.6 新型コロナウイルス禍を契機として専門家と国の関係を考える(大薮志保子)
Chapter.7 医師(医療従事者)の養成システムを見つめ直す(森尾亮)
Chapter.8 新型コロナウイルス禍で露呈した地方発の医療崩壊を乗り越えるには(岡田行雄)
Epilogue 新型コロナウイルス禍の克服に向けて(岡田行雄)
Column1 特措法と感染症法の改正
Column2 COVID-19と業務妨害罪
Column3 一斉休校、外出自粛、休業要請
Column4 介護崩壊を防ぐことは医療崩壊を防ぐこと
Column5 コロナ禍におけるマスメディアの報道
Column6 強制入院と人権擁護システム
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[書籍情報]
(タイトル)患者と医療従事者の権利保障に基づく医療制度:新型コロナウイルス禍を契機として考える
(著者)岡田 行雄 編著
(出版年月日)2021年3月26日
(ISBN)9784877987770
(判型?ページ数)?? 4-6?208ページ
(定価)本体2,500円+税
(URL)http://www.genjin.jp/book/b570889.html
詳細: プレスリリース本文 (PDF 182KB)
お問い合わせ熊本大学大学院人文社会科学研究部
担当:教授 岡田 行雄
電話:096-342-2363
e-mail:yukio※kumamoto-u.ac.jp
(※を@に置き換えてください)