アメリカでの熊本洋学校の教師人選に関する一次史料を発見
【ポイント】
- 明治4年(1871)9月に開校した熊本洋学校(くまもとようがっこう)※の外国人教師について、その人選が約一年前からアメリカで行われていた事実を示す書簡が、熊本大学所蔵の「幸家(ゆきけ)文書」より発見されました。
- この事実から、熊本洋学校の教師探しは、アメリカで早期に着手されながらも、明治4年8月のジェーンズの赴任に至るまで、難航した様子がうかがえます。
【概要説明】
熊本大学永青文庫研究センターの今村直樹准教授は、熊本洋学校の外国人教師の人選が、明治3年9月からアメリカで行われていた事実を示す書簡を発見しました。この新出書簡は、熊本藩留学生としてニューヘブンに滞在中の津田静一(つだ せいいち)(1852-1909)が、日本にいた父の山三郎(さんざぶろう)に宛てた一次史料です。この発見により、アメリカでの洋学校教師の人選が、熊本藩の依頼を受けて早期に着手されていたこと、それに現地の熊本藩留学生が深く関わっていたことが、初めて確認されました。
【用語解説】
※熊本洋学校…明治4年9月に開校した旧熊本藩立の学校。横井小楠の流れをくむ実学党によって興され、アメリカ人L.L.ジェーンズを迎えて自然科学?地理?歴史などを教えた。明治9年8月、ジェーンズの任期切れをもって廃校となった。
【公開情報】
津田静一書簡の画像は、熊本大学附属図書館オンライン貴重資料展「廃藩置県と熊本藩」(下記ウェブサイト)で、10月27日(水)から公開予定です。
https://www.lib.kumamoto-u.ac.jp/about/events/onlinekichoshiryo/r3
【詳細】 プレスリリース本文(PDF269KB)
*永青文庫研究センター
熊本大学附属図書館には、「永青文庫細川家資料」(約 58,000 点)や細川家の筆頭家老の文書「松井家文書」(約 36,000 点)の他、家臣家や庄屋層の文書群計 10 万点あまりが寄託?所蔵されており、永青文庫研究センターではこれらの資料群について調査分析を行っています。
お問い合わせ熊本大学永青文庫研究センター
担当:(准教授)今村 直樹
電話:096-342-2304
E-mail:eiseiken※kumamoto-u.ac.jp
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