神経細胞の「かたち」や「うごき」を 調節する新たな仕組みの解明
- 【概要説明】
熊本大学大学院生命科学研究部?細胞情報薬理学講座の菊池浩二講師、同大学発生医学研究所?染色体制御分野の石黒啓一郎教授、同研究所?脳発生分野の嶋村健児教授、東京都立大学理学研究科?神経分子機能研究室の久永真市客員教授らは、神経細胞の形態や運動を調節する新しい制御システムの解明に成功しました。
本研究グループは微小管結合タンパク質のひとつであるMap7D2が微小管に結合して直接的に安定化することにより神経系の培養細胞の形態や運動を調節することを見出しました。また、Map7D2と同じファミリーに属するMap7D1がMap7D2とは異なるメカニズムによって微小管を安定化して形態や運動を調節したことから、ファミリー間で機能のダイバーシティが存在することを見出しました。さらに、Map7D2は脳や精巣で特異的に発現し、特に、脳では嗅神経細胞の軸索が集積する嗅球?糸球体層で発現が高かったことから、生体内においても神経細胞の微小管の安定化を調節して神経細胞の形態を調節する可能性を見出しました。本研究の成果は、国際学術誌「Life Science Alliance」で令和4年4月25日(月)アメリカ東部標準時間午前9時(日本時間:4月25日(月)23時)にオンライン公開されました。
※本研究は、文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C))、公益財団法人武田科学振興財団、公益財団法人日本二分脊椎?水頭症研究振興財団、公益財団法人アステラス病態代謝研究会、公益財団法人持田記念医学薬学振興財団、公益財団法人上原記念生命科学財団の支援を受けました。
【論文情報】
論文名:Map7D2 and Map7D1 facilitate microtubule stabilization through distinct mechanisms in neuronal cells
著者:Koji Kikuchi*, Yasuhisa Sakamoto, Akiyoshi Uezu, Hideyuki Yamamoto, Kei-ichiro Ishiguro, Kenji Shimamura, Taro Saito, Shin-ichi Hisanaga, and Hiroyuki Nakanishi (*, 責任著者)
掲載誌:Life Science Alliance
doi:10.26508/lsa.202201390
URL:https://doi.org/10.1101/2021.10.27.466197
【詳細】 プレスリリース(PDF691KB)
お問い合わせ
熊本大学大学院生命科学研究部?細胞情報薬理学講座
担当:講師 菊池 浩二
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E-mail:kojik※kumamoto-u.ac.jp
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